【短編小説】卒業式⑫
古畑 時雄(Tokio Furuhata)
【短編小説】卒業式⑫
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【短編小説】卒業式⑫
僕とコユキは手を繋ぎ歩きながら、ライトアップされた「さっぽろ雪まつり」の雪像を眺めていた。
そしてコユキが来年、東京の芸大を目指すと言う理由が、僕の受験に関係するのかとても気になったのだ。
しかし僕はコユキに、この事について聞くのに悪い気がした。だから僕はコユキにこう言ったのだ。
「僕の夢は『建築士』になるのが夢なんだ! だからお互い、自分の夢に向かって頑張ろう…」
こんな風に僕がコユキに声を掛けると、コユキは頷いたのだった。そして二人はライトアップされた雪像を観た後、近くのレストランへと入ったのである。
レストランでメニューを注文し、食事が運ばれて来る迄の間、僕とコユキは学校ではなかなか話せない将来の夢なども語り合ったのだ。
そして食事も終える頃、コユキはカバンからラッピングされた小さな包みを丁寧に取り出し、僕にこう言って差し出した。
「タケシ先輩! 少し早いですが……わたしからの、バレンタインデーのチョコです。受け取って貰えますか?」
僕はある程度予想はして居たが、コユキが僕に対し、どの程度の恋心を抱いて居るのか迄は計り知れなかったのだった。
つづく…
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