【小説】さかなの言葉(第5話)/海の時間
谷山浩子
つづきです。第5話🐟 毎日、るるららうーうーあーあー言ってます。 歌詞を離れて歌うのもまた いろんな発見や反省やら 新らたな感覚がありました。 途中めげそうになるんですが やってみるとおもしろいです。 でも早く録音を済ませて 歌詞のあるものを歌いたい(笑)。 コーラスのスケッチのような 録音方法で重ねていってます。 素晴らしい演奏は にわとりのとさかさんです🐔 本日も2話分お世話になります。 ありがとうございます🙇♀️🎶 お読みくださりお聴きくださり ほんとにありがとうございます🙇♀️💕 貴重なお時間をいただくことに 深く感謝いたします🙇♀️ では、本編に参ります。 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼ 🐟さかなの言葉 5 その夜、私は“うをお”の腕の中で駄々をこねた。 ひとりでどこかに行かないで、と言っても、“うをお” は困ったように笑い、黙って抱きしめるだけだ。 「嘘でもいい、言ってくれたら安心するのに」 「嘘でもいい言葉に何の意味があるの」 「言葉にすることが大事なの」 「意味のない言葉が大事なんて、おかしいよ」 「でも、“うをお” がどこかに行ってしまったら嫌だし、心配だもの」 私は子どものように何度も首を横に振って、“うをお” の骨張った胸に押しつけた。 「それとも何かを思い出した?」 「思い出してない」 これには、しっかりと答えるのに。 「じゃあ、永遠に一緒にいるって言って」 永遠……と呟いて“うをお” は微笑んだ。 「それなら、みめはベニクラゲに生まれ変わるといいよ」 いったい何を言い出したのかと、私は体をそっと離す。 「ベニクラゲはね、自分の死体の組織を解体して、そこから新しい自分を再構築するんだ。クラゲはたいてい不死だけど、クローンだろ。でも、ベニクラゲはちゃんと自分を蘇らせることができる。 だから、永遠が欲しかったらベニクラゲになるといい」 私は泣きそうな顔で、また首を横に振った。 「それなら“うをお” もベニクラゲになって。ふたりで永遠に生きよう」 クラゲか……と“うをお” は、どこか遠い目をして黙り込んだ。 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼ 【INDEX】 第1話 https://nana-music.com/sounds/0670fa42 第2話 https://nana-music.com/sounds/0670fa51 第3話 https://nana-music.com/sounds/067126f1 第4話 https://nana-music.com/sounds/06712707 第5話 https://nana-music.com/sounds/067152ed 第6話 https://nana-music.com/sounds/06715306 第7話 https://nana-music.com/sounds/06717f11 第8話 https://nana-music.com/sounds/0671ad81 第9話 https://nana-music.com/sounds/0671ad94 第10話 https://nana-music.com/sounds/0671dd93 最終話 https://nana-music.com/sounds/0671dda3 #うか谷山浩子 #うか小説
