nana

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本日は…というか本日から 小説を連載します🙇‍♀️ いつぞやの「カントリーガール」のように 谷山浩子さんの「さかなの言葉」をモチーフに 妄想を広げた恋愛小説のようなものになっています。 過去作は #うか小説 にあり〼 今回、BGMに歌詞のないものにしたくて パン機能を多用し ほぼ全編ハミングとコーラスで構成しました。 あーあーうーうー言ってます(1話はメロディのみ)。 どれも美しいピアノは にわとりのとさかさんです🐔 最終話までお世話になります🙇‍♀️ 多分、全10話くらいになるので 2話ずつ毎日連載したいと思っています。 音楽はその都度変えるので もしよかったら音楽だけでも お聴きいただけるとうれしいです🙇‍♀️ 毎度書きますが、小説苦手って方は どうぞここで離脱ください。 文体も好き好きかと思います。 音楽だけ聴いてくださるだけでも とってもうれしいです🙌 お読みいただきお聴きくださり ありがとうございます🙇‍♀️💕 では、本編参ります。 今回改行をやめております。 読みにくかったら遠慮なく言ってください。 編集し直します。 どうぞよろしくお願いします🙇‍♀️ ✼••┈┈••✼••┈┈••✼ 🐟 さかなの言葉 1  春の終わりのある日、海岸で男を拾った。  アパートから歩いて10分の狭い砂浜は、漁港と漁港の間にあり、訪れる人もない。その寂れた砂浜を散歩するのが、休日の朝の日課だった。  男は伏して砂浜に倒れていた。 「大丈夫ですか」  それが合図のように顔をこちらに向けて、徐に身を起こした男の目は黒翡翠のように冷たく無機質だった。  30才手前くらいだろうか。蝋がけしたような青白い肌、骨張った体、鱗のようなつややかな爪、薄い唇。立ちあがろうとして蹌踉めいた男の細い体は濡れそぼっていて、思わず抱き止めた私も水を浴びたほどに水が滴った。  介抱するという名目で、私は部屋へ招き入れ、 絵の具が水に滲むように、彼は私の生活に入り込んだ。  “うをお” と私は呼んだ。  それは、しばらく声を出さなかった彼が初めて発した言葉らしい言葉だった。名乗ったわけではなかったのかもしれない。それでも、私はそれを彼の呼び名にしてしまった。 “うをお” は記憶を失くしていたから。  だからか、彼はその名を受け入れた。  私が「うをお」と呼ぶと、水蜜桃のような甘い声で「みめ」と私を呼んでくれた。  美しい女と書いて“みめ” と読ませる名前は、亡くなった父が付けたものだ。  産んだばかりの私を置いて去った母が美しい女だったのか、せめて娘には美しく育ってほしいと願ったのか。案の定名前に負けて十人並みの器量にしか育たなかった私は、この名前が嫌いだった。  それでも“うをお”に呼ばれると体の芯が蕩けそうになり、「もっと呼んで」と私は“うをお” の耳朶を吐息で濡らした。 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼ 【INDEX】 第1話 https://nana-music.com/sounds/0670fa42 第2話 https://nana-music.com/sounds/0670fa51 第3話 https://nana-music.com/sounds/067126f1 第4話 https://nana-music.com/sounds/06712707 第5話 https://nana-music.com/sounds/067152ed 第6話 https://nana-music.com/sounds/06715306 第7話 https://nana-music.com/sounds/06717f11 第8話 https://nana-music.com/sounds/0671ad81 第9話 https://nana-music.com/sounds/0671ad94 第10話 https://nana-music.com/sounds/0671dd93 最終話 https://nana-music.com/sounds/0671dda3 #うか小説 #うか谷山浩子 

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