【小説】さかなの言葉(第3話)/約束の海
谷山浩子
うかお召喚っ‼️ というわけで、本日も、つづきです。 谷山さんは小説を何作も 出版されているのですが 主人公が少年少女や この設定よりは若めの人が多くて、 もっとファンタジー寄りです。 なので、谷山文学がお好きな方には 私の文体や内容は 谷山さんの音楽には合わない! と思われる方もおられるかもしれません。 似た世界観で書くこともできますが それとオマージュは違うと思ったので 今回は自分なりのものにしようと思い こんなふうになってます。 あと、谷山さんの恋愛歌の名曲が たくさんあるので ストーリーから連想した雰囲気の曲を選んで ハミングバージョンでBGMにしました。 素晴らしいピアノの演奏は にわとりのとさかさんです🐔 本日も2話分お世話なります。 お聴きくださりお読みくださり ありがとうございます🙇♀️💕 では本編行きます。 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼ 🐟さかなの言葉 3 「ひどいじゃないか、急にいなくなるなんて」 突然の電話を無視できなかった自分も自分だったが、別れた恋人からの声を聞いて、電話を取ったことを早くも後悔する。 3ヶ月ぶりに聞く彼の声は、耳にザラザラとした心地悪さを残した。 「先にいなくなったのは、あなたのほうでしょう。 連絡も来なくなったし、心変わりしたと思ってた」 「何言ってんだよ、ずっと探してたんだぜ」 「……別の人のところに行ってたの、知ってるの」 「違うんだ、あれは関係ない」 「だとしても、私はもう……」 遮って彼は畳み掛けるように言った。 「戻ってこいよ、一緒に暮らさないか。どうせそこにいたって、やりたい仕事にはつけてないんだろう?」 見えないとわかっていても、私は大きく首を横に振った。 「もういいの。私、今ここを離れたくない」 「俺はやっぱり、お前といるのが一番楽なんだ。 どうしてほしいんだ、お前がいいようにするよ」 心に裏ぶれた風が吹く。 私は電話を耳から離して溜息をついた。 こういう人だったと思い出した。同じ言語を話しているのに、心が休まらない。彼にはもっと彼の言葉に見合う相手がいるはず、と思ったからこそ私はここに来たのだ。 「実は今、一緒に暮らしてる人がいるの」 一瞬の間の後、マシンガンのように捲し立て始めた彼の声を耳から離し、電話を切った私は足早にアパートに向かった。早く“うをお” の腕の中に収まりたかった。 ドアをそっと開ける。 「うをお、ただいま」 ところが、あの細い体も静かな気配もない。 沓脱にあったはずの私のクロックスが無くなっているのに気づき、私は外へ飛び出した。 ✼••┈┈••✼••┈┈••✼ 【INDEX】 第1話 https://nana-music.com/sounds/0670fa42 第2話 https://nana-music.com/sounds/0670fa51 第3話 https://nana-music.com/sounds/067126f1 第4話 https://nana-music.com/sounds/06712707 第5話 https://nana-music.com/sounds/067152ed 第6話 https://nana-music.com/sounds/06715306 第7話 https://nana-music.com/sounds/06717f11 第8話 https://nana-music.com/sounds/0671ad81 第9話 https://nana-music.com/sounds/0671ad94 第10話 https://nana-music.com/sounds/0671dd93 最終話 https://nana-music.com/sounds/0671dda3 #うか小説 #うか谷山浩子
