nana

カントリーガール【3】
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すみません、インフルの余韻で 録音を重ねるうちに 声がどんどん掠れてしまい…… お聴き苦しいかと思いますが、 あたたかいお耳で受け止めていただけたら 幸いです🙇‍♀️ 大変恐縮です(でも歌う💦) 昨日に引き続き、妄想ドラマ第3話。 城村版『カントリーガール』 お待たせしました🙇‍♀️💕 ★……♪……★……♪……★ それからというもの、 僕の大学生活は地獄のようだった。 ヤツと彼女が並んで歩いている。 ヤツが彼女の肩に手をかける。 あっ、髪を触るな! 腰に手を回すな! 否が応でも視界に入ってくるふたり。 あいつの嫌がらせかと思うのは、 僕の思い過ごしだろうか。 あれ以来、あいつに何か言おうとしても、 目をそらして逃げるように行ってしまう。 しかもあいつの周りには、 似たタイプの友人がたくさんいて、 いつも賑々しく近寄りがたい。 ヒロコちゃんといえば、 そんなヤツの背中に そっと隠れるようにして、 黙って寄り添っているだけだ。 彼女はそれで幸せなのか? そんな辛い毎日を繰り返し 一週間ほど経った時…。 「ヒロキー!」 クラスの華やか系女子が 向こうから僕に手を振った。 …と思ったのだが、違った。 たまたま僕のうしろにいた、 もうひとりのヒロキに、だ。 彼女は辺り一面花畑にするような笑顔で 僕のうしろにいるヒロキに駆け寄った。 「ねえ、今日お昼どこで食べる?」 なんだって。 僕は思わず振り向きそうになる自分を 辛うじて堪えた。 「そのあと、どこか行く?」 なんだって。 ヒロキはヒロコちゃんと 付き合っているんじゃなかったのか。 満更でもなさげに受け応えする もうひとりのヒロキに、 ヒロコちゃんの寄り添う影はない。 僕は慌てて構内を探し回った。 講義を欠席してしまうが仕方がない。 ヒロコちゃんだって来ていないのだ。 いったいどこに… さんざん探し回った挙句、 人気のない研究棟の7号館に彼女はいた。 暗い廊下のガラスに自分を映し、 赤い口紅を遠慮がちに引いて 自分の顔を見つめ、すぐに拳で擦った。 赤く染まった手の甲も構わず、 彼女は立ちつくしていた。 肩を小刻みに震わせて。 そして、小さく呟いたのは、あのことば… カントリーガール きみの目の中で夕焼けが燃える きみの微笑みは草原のにおいがする 好きだよ…… (4番に続く) 🔹INDEX🔹 妄想ドラマ小説「カントリーガール」 🔹第1弾🐔 ・第1話 https://nana-music.com/sounds/0538b593 ・第2話 https://nana-music.com/sounds/0538b59f ・第3話 https://nana-music.com/sounds/05391486 ・第4話 https://nana-music.com/sounds/05391489 🔸第2弾🍳 ・第1話 https://nana-music.com/sounds/0542e620 ・第2話 https://nana-music.com/sounds/05433d4d ・第3話 https://nana-music.com/sounds/05439abe ・第4話 https://nana-music.com/sounds/0543f2a8 ・第5話 https://nana-music.com/sounds/0543f2b3 #nana文芸部 #うか谷山浩子 #うか小説

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