#星詠みの詩
あの青緑色の、美しい鱗がついた脚。記憶に焼き付いた光景が、僕の背中を押す。
あんな美しいものを目の当たりにした芸術家は皆、正気ではいられないだろう。
助手くんの看病を行う傍ら、僕は芸術活動に浸っていた。
助手くんは今日も体調が優れないのか、眠っている。星の子の力とはいえ彼の体力を奪う要因になっていることには違いない。眠りが浅いのか、時折苦しそうな声で「ししょー」と呼ぶ彼の姿に、胸が痛む。まだ幼いのに両親の元から離され、この場での生活を強いられているだけでも十分心細いだろうに。ピスケスのお腹を優しく叩くと、安心したのかまたすぐにすうすうと寝息を立て始めた。
暗室だからそう見えてしまうのか、青白い手に触れると、海の底のようにひんやりとしている。毛布を捲ると、彼の爪先は魚の尾鰭のようなものに変化していた。人間の皮膚ではなく、硬い鱗に覆われたそれは、もはや脚とは呼べないだろう。
なんて残酷な、そう考えていたはずなのに。
「美しい……」
僕の口から出た言葉は、それだった。
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【アクエリアスに求められる選択】
貴方は、ピスケスの看病を行う傍ら、頭のどこかでは、創作意欲に掻き立てられてしまう自分がいることに気が付きます。一方で、ピスケスの体調を見る限り、陸上での生活は厳しいのではないか、と彼の身を案じる思考がはたらいています。
そんな貴方に求められる選択肢は、以下の通りです。
① ピスケスをどこか水のある場所で生活させようと試みる
② この狭い部屋で、サイゴまで彼とともに過ごす
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