〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【中編③】
台本:由季 BGM:Sarah Vaughan様 演奏:Sakoty様 SE:小森平様
〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【中編③】
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【CEA】〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【中編③】
こちらに負けを劣らず、言い争う声が聞こえた。
?「…あれ?あちらも何か揉め事かな?止めてくるよ!」
金髪をオールバックにした男性は、声のする方へ駆け寄っていく。
ギルバート「……ほんっとにトラブルメーカーだな。………って………ん?あれは……」
その視線の先には…
───
ティナは館内に入ってすぐに物陰に隠れた。
視線の先には…
ティナ「あぁ…!思った通り!なんて………」
ルチア「お嬢様、次の作品がお決まりですか?」
ティナ「作品なんてとんでもない!あの方は私のモノになってもらうわ」
ルチア「……………といいますと?」
ティナ「指だけじゃ物足りない!あの方の心も身体も全て私のモノにしたい……」
ルチア「……………」
瞳をキラキラと輝かせる主を、ルチアは悲しげに見つめることしかできなかった。
ティナ「ねぇ、ルチア。貴女は私の自慢の作品よ?でもね、あの方は特別なの…!…あぁ…私にはこの人が必要なんだって…私の勘が言ってるわ!」
ルチア「…私では役不足ということですか?」
ティナ「そうは言ってないわ。だけど…ルチアはそうね……もう少し笑ってみたらどう?」
ルチア「…………面白くもないのに笑えません」
ティナ「それもそうね。………あ…!!」
すると、ティナはまた何かを見つけた
ルチア「お嬢様?また何か?」
ティナ「ねぇ見て……あそこに居るお2人を……!……待って、白い髪の男の方も…!」
ティナの視線の先には、オリヴァー、レイ、セオ
そして、クレアの姿しか目に入らないようだ。
ルチア「………………確かに美形ですが。まさか彼らもご所望で?」
恍惚とした表情で食い入るように見つめる。
ティナ「………まるで芸術ね……美しいわ……」
ルチア「………」
ティナの視線の先に居る4人を、ルチアは冷たい目で見ていた。氷のように冷たく鋭い眼差しで…
───
睨み合うクレアとセオだったが、次の瞬間、仲良く声を揃えた。
?「やぁ!痴話喧嘩かい?」
セオ、クレア「「違う!!!」」
ギルバート「おい、事を荒立てんなよ」
クレア「………一体何の用?裏切り者」
ギルバート「裏切ったつもりはないって。……久しぶり。クレア」
クレア「気安く呼ばないで」
ギルバート「……悪かったって」
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