〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【中編②】
台本:由季 BGM:Sarah Vaughan様 演奏:Sakoty様 SE:小森平様
〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【中編②】
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【CEA】〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【中編②】
やがて、ミュージアム前には聖ルナリア女学院の生徒たちが集まってきた。
セオ「おーおー、見事にお嬢様だらけだな…」
クレア「………」
セオ「どうした?さっきから黙って」
クレア「……この中には居ないわ」
セオ「は?居ないって誰が」
クレア「……犯人。居ないって言ってもこの学生の中のことよ。もしかしたら館内に居るかもしれない」
セオ「…こんだけ広いんだぞ。正気かよ…」
クレア「オリヴァーのためよ!ほら、さっさと歩く!」
セオ「…はいはい」
クレアとセオは学生たちに紛れてミュージアムに入っていくのを、じっと見つめる者がいた。それは言わずもがな…
───
イベントが始まると、次第に館内には多くの人々が集まる。創立数周年を迎えるこのミュージアムでは、毎年ゲストを呼んで記念セレモニーが行われるのだ。
クレア「歌なんてくだらない……鬱陶しい…雑音ね」
セオ「芸術が分からないなんてお子様だな」
クレア「何よ低身長」
セオ「この刃物女」
軽口を叩きながらも、館内を歩き回るセオとクレアだったが、次の瞬間、足を止めざるを得なくなる。
?「うーん!正に天使の歌声だね!」
ギルバート「ちょ、引っ張るなって!」
?「oh!sorry!!」
ギルバート「それと!ここは大声で喋る所じゃないんだよ!」
?「ん?それそっくりpresent for youだよ!」
ギルバート「…やたら流暢なのが腹立つ」
?「同じ情報屋同士仲良くしようよ!」
ギルバート「断る!営業妨害だ!一緒にするな!」
?「つれないなーギルバートは!」
館内に響き渡らない絶妙の声量で、2人を越える口論をひている男性が2人が居た。
クレア「は?ギルバート?」
セオ「誰」
クレア「あんたが来る前に、無駄によく事務所を出入りしてたの。知らなくて当然」
セオ「無駄にって…」
しばらく2人を観察する。
ギルバート「つれないも何も会ったばかりだろうが。心配して声を掛けてくれたのかもしれねぇけど……最初の一言が、"やぁ、失恋かい!?"はねぇだろうが!!!」
?「アメリカンジョークだよー!君も純粋だね!」
ギルバート「"も"ってなんだよ!」
流石に同情したセオが言う
セオ「……止めるか?」
クレア「ならよろしく」
セオ「僕は初対面なんだよ!」
クレア「いいじゃない。友達ができるかもよ?」
セオ「僕を友達が少ないみたいに言うな!」
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