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episode【Prelude まっくら森の歌】
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少女が思っていたより森は深かった。
真昼だというのに太陽の光が木々に遮られ薄暗い。
その上、その木々の根が森の中に伸びる小道まで蔓延って、少女の足場の安定性を奪っていた。
今にもその根が少女の足を引っ張って、体を地面へと誘いそうだ。
(どうしよう……怖い……やっぱり戻ろうかな)
ビクビクと肩を震わせながら少女が周りを見渡したその時だった。
深い緑の奥から、微かに歌声が聞こえる。
その事実に気づいた少女の瞳には、期待と恐怖の色が同時に浮かんだ。
(歌声!?本当に!?)
少女はその場に立ち止まると、歌声のする方を注視して聞き耳を立てる。
それは決して風の音などではなく、確かに歌声だった。
澄んだ声は木漏れ日に溶け込むように響いて、森全体に広がる。
それはとても幻想的で美しかったが、それ故にある恐ろしい言い伝えが少女の脳裏を過ぎる。
「その森の妖精は歌で人を眠らせて、夢の世界に連れて行ってしまう。連れ去られた人は二度と元の世界には帰れない」
「あ……」
恐ろしい想像が脳を支配して、足元が揺らぐ。
膝から力が抜けて、その場に座り込んでしまいそうになった。
刹那。
「おい」
突如背後から聞こえた低い声に、少女は驚き慄き背筋が一つ大きく跳ねる。
その瞬間、考える間もなくその場から逃げるために本能で駆け出した。
「ひえええええええええ!!」
喉を傷つけないようファルセットとチェストボイスを行ったり来たりする器用な叫び声は、彼女が音楽学校の生徒であるからだろうか。
しかし彼女はそんなことを意識する余裕はなく、ただ背後から聞こえた声から逃げたい一心で森の中を叫ながら走った。
恐怖で溢れ出した涙に視界を奪われながら走っていると、突然、膝くらいの低い木に足を取られる。
「へっ?」
スカートから伸びた素足に、枝が絡まる痛みを感じたと同時に、その体が勢いよく宙を舞って視界が回転するのを感じた。
しかし、実際に自分の身に起きていることは分からず、気づけば少女は青々とした芝生の地面にしたたかに背中を打ちつけていた。
「いっっっ」
突然の衝撃に目を瞑ったまま悶絶しながら転がりまわる。
じわじわと広がる痛みに耐えながら少女が目を開けると、そこには空が見えた。
(あ……れ?私、森の中に居たはず)
そう思ってまっすぐ空を見上げていた首をゆっくり横に倒すと、確かにそこには木々が聳え立っている。
しかし、さっきまでと少し違うのは、少女の倒れた周りだけ木々は一切なく芝生や花壇、生垣などで整えられた空間が広がっていたのだ。
(あ、もしかして私、あの生垣に突っ込んじゃったのかな?というか何ココ、公園?)
痛みが和らいできた体を少女はゆっくり起こす。
起き上がったその目に映った光景は、あまりにも信じられないもので、少女は限界まで目を見開いて口を開けた。
「な、な、な、なんでこんなところに建物があるの……」
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auru 🎈【🌙LUCID DREAM 】
mi* 💎【☀️AWAKE】
TaIga 🐯【💕REM】
みおぎ 🐨【夢先案内人】
全員 🌟
🐨ひかりの中で 🐯見えないものが
🎈やみの中に 💎うかんで見える
🐨🐯まっくら森の やみの中では
🎈💎きのうはあした まっくらクライクライ
🐯さかなはそらに 🐨ことりは水に
💎タマゴがはねて 🎈かがみがうたう
🐯💎まっくら森は 🐨🎈ふしぎなところ
🌟あさからずっと まっくらクライクライ
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