🩵Angee Recital🏛

フォロー

🩵 Samaria dose ifia mio lora fia sia adora 🏛 ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── 第2部〖神様と1番目の天使〗 Ⅰ.創造 「ご覧なさい。光があります。今よりここを、あなたの居場所としましょう」 　その声がミカの一番古い記憶だった。全身を揺るがすような、甘美で凛とした声色。ミカの自我はそうして生まれ、光に導かれるように『目』を開くと、そこには彼の姿があった。 「あなたの名前はミカ。わたしの子であり、きょうだいであり、使徒であり、友である。これから共に、世界の全てを創造しましょう」 「はい……神様」 　教えられてもいないのに、目の前の彼を神と呼ぶべきなのだと分かった。ミカはそのように造られた。神に従い、寄り添う存在として生まれてきた。 「ミカ。たった今わたしは、この世界に天と地、光と闇を創造しました。あなたは他に、何が必要だと思いますか？」 「ワタシのような存在を、アナタの子を、創造して下さい。そうすれば何れ、ワタシたちの手によって、世界は栄えるでしょう」 　ミカは間髪入れずにそう答えた。縋るような思いだった。心の内に巣食う生存本能が、彼のために動けと叫びをあげている。何よりも一番初めに存在を許された歓びが、全身を駆け巡っていく。 　世に生まれて僅か数秒の間に、ミカは全ての感情を覚え、その中から一際輝いていたものを拠り所とすることにした。 　神に全てを捧げたいと思うその心を、後に人は信仰と呼んだ。 ‧✧̣̥̇‧ 　ミカの望みは聞き入れられ、神様の手によって七人の天使が造られた。ミカのきょうだいたちだ。けれど、彼らはミカと違って、すぐに自我を持つことは無かった。淡い光の玉として生まれた彼らは、これから長い時間をかけゆっくりと、感覚を覚え、感情を覚え、会話を覚えていくのだという。 「彼らと話せるようになるまで、ワタシは何をすれば良いのですか？」 「わたしと共に、この世界を巡りましょう。一周して戻ってくる頃には、彼らはあなたに微笑みかけるでしょう」 「それは……それはとても、楽しみな予定ですね」 　ひとつしかない大きな瞼をぱちぱちと瞬かせ、ミカは神様に笑いかけた。神様もまた、同じような笑顔でミカに返事をしたのだった。 ‧✧̣̥̇‧ 　神様の創造した世界は、美しいけれども一面真っ白で、二人の話し声のほかには耳に入る刺激が皆無であった。ミカがそのことを口にすると、神様は即座に色彩と音色を編み出し、視覚と聴覚を塗り替えた。その次は香りを、そのまた次は味を、そして感触を。一歩歩く度に、ミカの触れる世界は大きくうねり、より素晴らしいものへと変化していく。 「素敵です、神様。ワタシは嬉しい。この世界を知ることが出来て、嬉しいです」 　そう口走り、無邪気に駆け出したミカを、神様は何も言わずに眺めていた。神様の思考はミカには分からなかったけれど、きっと神様も嬉しいのだと思うことにした。何故なら、ミカが生まれてくるまでは、世界には天と地と、光と闇しか無かったのだから。神様は、ミカがそうあってほしいと願ったから、簡素な世界を色づけてくれたのだ。 　きっと、ミカという存在が生まれてきたのが嬉しくて、神様もはしゃいでしまったのではないだろうか。 ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── Samia dostia Ari aditida Tori adito madora Estia morita Nari amitia Sori arito asora Semari aisi isola matola Soribia doche irora amita Samaria dose ifia mio lora fia sia adora Samia dostia Ari aditida Tori adito madora Estia morita Nari amitia Sori arito asora Semari aisi isola matola Soribia doche irora amita Samaria dose ifia mio lora fia sia adora ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── ⛓️神様 cv.海咲 https://nana-music.com/users/579307 ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── 前章 第1部〖創世:ロマルニア帝国の聖典より〗 前節 Ⅲ.天啓 (楽曲: 🌬️暁の鎮魂歌/Linked Horizon) https://nana-music.com/sounds/06cb68a3 次節 Ⅱ.暁光 (楽曲: 🪬フクロウ〜フクロウが知らせる客が来たと〜/KOKIA) https://nana-music.com/sounds/06cbfdf4 #梶浦由記 #まどマギ #ロマルニア帝国の聖典より