かいしんのいちげき! 1番
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かいしんのいちげき! 1番
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#かいしんのいちげき #天月 #ピアノ #耳コピ #初投稿 #コラボ大歓迎 #恋してマーメイド #声劇 #お魚さん
🐟スペシャルアフターライブソロ曲編②🐟
【かいしんのいちげき!】by鯨🐳
🐳「好きの気持ちは止まらないけど…これもしきたりのせいなのか…!?」
素敵なご本家様
『かいしんのいちげき!』
https://youtu.be/Q7AVA1e0qN4?si=xRM20PmljpU4RQS4
お借りした伴奏の作成者様
しほ様
https://nana-music.com/sounds/0488cfd4
【キャスト】
(敬称略)
🐳座頭鯨(ざとう くじら)cv. 海月∞
〔 https://nana-music.com/users/1819852 〕
『スキと好きの意味』
ぼくの初恋っていつだろう?そう考えてみると正直よくわからない。
『好き』がぼくはわからなかったから、初恋っていうのもわからなかったんだ。
…だけど、今になって考えてみると、あれは初恋と言っていいのかわからないけれど、最初に『ダイスキ』を感じたのは宮理ねえだった。
宮理ねえは4つ上のいとこのお姉さん。
親戚同士の集まりの際はいつも優しくしてくれたし、大人達の話に飽きた時はいつもこっそり抜け出して一緒に遊んでくれたり。
勉強も運動もできて高校ではスーパー『お魚さん(マーメイド)』会長なんて呼ばれていたし、大学も難関校に首席合格。
もはやすごすぎて一部同じDNAが流れているとは思えない。
いつも笑顔で、優しい宮理ねえだけど…泣いている時を一度だけ見たことがある。
あれはぼくが中学2年、宮理ねえが高校3年生の時。親がたまたま不在で宮理ねえの家にお世話になるついでに高校見学に行った日だった。
会長として立派に役目をはたしていた宮理ねえはすごくかっこよかった。無事見学も終わり、一緒に帰ろうと約束していた宮理ねえをかっこつけて迎えに行こうとしたら…迷ってしまった。
広い上に初めてきた場所だ、無闇に動いたら迷子になっても無理はないのにぼくの馬鹿…
人気のない教室の前を通りかかった時、誰かの話している声がきこえた。
声の主の一人はとても聞き覚えがある人だった。
「わた…し…もう…なんで、なんでなのかな…」
「濱…」
宮理ねえだった。だけど、泣いている。
あのいつも笑顔で弱いとこなんて見せたことない宮理ねえが。
大粒の涙を流しながら泣きじゃくっていた。
隣で宮理ねえを落ち着かせようとしているのはきっと先生だろう。
「なんで、素直に言わなかったんだろう…!一歩踏み出せばいいだけなのに…わたし、わたしの馬鹿…!大好き、だったのに…!」
…もしかして、宮理ねえが前少し話してくれた好きな人のこと…
多分、泣いているということは気持ちが通じ合うことはないということなのだろう。
…ぼくはこの時なんだか怖くなってしまった。
『あの完璧な宮理ねえが泣いている』
それがあまりにも衝撃的で。あの宮理ねえですら涙を流す恋愛というものが、『大好き』という気持ちが怖い。
常人のぼくにはもうどうしようもできないのではないか。誰かを『好き』になることがこんなにも怖いなんて…
それ以来、ぼくは恋愛感情というものがわからなくなった。
そして恋愛に関するポンコツっぷりは…まあ見ての通り。
だけど…そんなぼくの心を動かす会心の一撃をいれるヒロインに、出会う日がやってきたんだ。
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好きの気持ちは止まらないのです!
わんつーさんしー準備はおっけー!
期待半分 想像は下手で
心の声は聞こえてないかな?
ひい ふう みい よ ピンチをチャンスに!
告白日和 妄想はベタで
主役になんてなれずに今日も
(I miss you)魅かれているのに
(Lovin' you)素直になれない
晴れのち快晴で 雲一つもないです!
(I miss you)弱虫 泣き虫
(Lovin' you)でも変わってみたいの
どうかこのストーリー クリアさせて!
かいしんのいちげき!
君が笑うから?
わからない宿題がありすぎて
教科書には載ってないよ
ただ ただ 気持ちが向く方へ
ふっかつのじゅもんないけれど
セーブやロードできないけど
フレーフレー 僕の恋
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「こんにちはー」
「いらっしゃい二人とも!久しぶりね〜」
今日、ぼくと魚子ちゃんは久しぶりに宮理ねえの家に来た。
「宮理さんお久しぶりですー!あっ、そうだこれ。わたし達から!」
「あら!お気遣いありがとう♪ゆっくりしていってね〜?」
最近お互いバタバタとしていて宮理ねえに合うのは久しぶり。今回の目的は…
「はわわわわ…!小さい…!おめめクリックリ…かわいいい…!」
「うふふ、魚子ちゃん、抱っこしてあげて?」
そう、宮理ねえの赤ちゃんに会うためだ。
宮理ねえ…改め帆縦宮理ねえはこの春可愛い女の子を出産した。
研究して、カフェも経営しながら子育てもなんて…やっぱりすごいや。
料理人旦那さんも協力してくれて、カフェには新メニューが増えて益々大盛況だとか。
「宮理ねえ、おめでとう。この子の名前は?」
「『雫』にしたわ。真珠の別名月の雫からよ。わたし達の大切な、大切な宝物。」
愛おしそうに雫ちゃんを撫でる宮理ねえは本当に幸せそうだった。
…良かった、『大好き』見つけられたんだね。
「宮理ねえ、いっぱいぼくらのこと助けてくれてありがとう。ぼくは宮理ねえのおかげで『大好き』を知れたよ。」
『好き』に戸惑って、情けなかったぼくの背中を押してくれたのは『ダイスキ』だった宮理ねえだ。本当に、本当に感謝している。
「…くーちゃんが立派な出世魚になれてお姉ちゃんは幸せよ。次はくーちゃん達の番よ?」
「ふあっ!?」「うぎょ!?」
番…って…えっ、稚魚的な意味!?捕食的な意味だよね!?
わ、わああ…魚子ちゃん恥ずかしくて見れないよお…
「うふふ、まだまだ初々しいわね。大丈夫よ、ちゃんと二人は『大好き』同士なんだから。」
そうだ、宮理ねえの言う通りだ。もう、ぼくは怖がらない。怖くない。
ありがとう、『ダイスキ』な人。『大好き』な人の王子様になれるよう、ぼくもっと頑張るからね。
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