〈第4話〉 真実と虚構【中編①】
台本:由季 BGM:『形は無いけれど、いつまでも美しく』みわたか様 イラスト:MΔWΔTΔ様
〈第4話〉 真実と虚構【中編①】
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【CEA】〈第4話〉真実と虚構【中編①】
そして、時は数時間前に遡る。
【AM10:00 ~Crime Eradication Agency~】
シックな色で統一された応接間には、五人の姿があった。いかにも高価そうなソファーに腰掛けたのは、翡翠の目が印象的な茶髪の女性。
?「初めまして、ナタリー・モンテスと申します。今日はお時間をありがとうございます」
向かいに座るのは、翡翠よりも鮮やかなペリドットの瞳をもつ黒髪の美丈夫、オリヴァー。その右隣には、トパーズの瞳をしたエキゾチックな美女、レイが腰掛けており、青みがかった黒髪はゆるく波打っている。
そして、二人が座るソファーの後ろには、ミルクティー色の髪をポニーテールにした可憐な女性、クレアが立っている。シトリンの瞳は不満げに細められていた。
そして、向かい合うソファーの右横には、雪のような白い髪をした美青年、セオが座っている。アメジストの瞳は物珍しそうに依頼人を見つめている。
ナタリー「…あの、何か?」
セオ「!失礼しました。師匠やレイさんを見て平然としていられるのが不思議で、つい」
そう言われ、ナタリーは失礼と思いながらも、目の前に座る二人を改めて観察する。
確かに、一枚の完成された絵画を観ているようなそんな気分にさせられる
ナタリー「皆さんは素敵ですね。芸能人と言われても何の違和感もないくらい…」
セオ「げ、芸能人…!?ま、まぁ、わかる人には分かりますよねぇ、この輝きは…」
クレア「貴女、何しに来たんですか?」
クレアの鋭い言葉にセオは思わず立ち上がり、彼女に耳打ちをした。
セオ「…おい、何キレてんだよエクレア」
クレア「気に入らないわ。きっと甘やかされて育ってきたんでしょうね」
その声は隠されることもなく、ナタリーの耳にも届いていた。彼女は思わず苦笑する。
ナタリー「…えっと」
レイ「ごめんなさい。あの子の八つ当たりなの。気にしないで」
クレア「は?」
レイ「今は来客中よ。失礼な態度を取るなら出て行って」
セオ「…し、師匠」
オリヴァー「…ナタリーさん、少し席を外しても構いませんか?」
ナタリー「え、えぇ」
オリヴァー「…クレア、外へ」
クレア「…っ」
オリヴァーは足早に部屋を出ていく
その後を覚束無い足取りでクレアが続いていった
───
オリヴァー「さて、何故あんな態度を?」
クレア「…覚悟を感じられなかったの。生半可な気持ちで来られても迷惑なだけでしょう?」
オリヴァー「では、どこでそれを判断したんだい?」
クレア「目を見れば分かるわ。本気なら強い意志が宿るはず」
オリヴァー「…確かに、目を見れば大抵の事は分かる。でも、覚悟は内に秘めるものだと思うんだ」
クレア「…よく分からないわ」
オリヴァー「それを確かめるんだよ」
クレア「…!」
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絵師
MΔWΔTΔ様
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