#星詠みの詩
【カプリコーン】
任務はしばし休憩。街の人たちにちょっぴり目をつけられてしまって何もすることができなくなってしまった僕たちは、情報収集をちまちま進めていた。図書館で本を読んでみたり、街が沈んだ湖の観察をしたり。その中で僕はひたすらサジタリアスの足を引っ張りまくっていた。図書館では本を片付けようとして足がもつれて何もないところで転んじゃうし、湖の観察では深く覗き込みすぎて頭から湖にダイブしちゃうし。本当についていない。
これ以上サジタリアスに迷惑をかけちゃだめだ。そう思えば思うほど、空回りして失敗ばかりしていった。
僕の人生いっつもこう!!本当にヤになっちゃう。
極め付けはさっき起こった出来事だ。僕たちは古い図書館で資料の読み込みをしていた。その時左足がひどく痛んで、僕は思わずその場にしゃがみこんでしまった。持っていた本が床に散らばってしまったけれど、そんなこと気にしている場合ではなかった。ふくらはぎから足首にかけて、ちょうどハイソックスに隠れたあたりがずきずきと痛む。怖くなって恐る恐るハイソックスをめくると、そこにはてらてらと不気味に光る青い鱗が、僕の皮膚について……
――いや、「生えて」いた。
怖い!!怖いよ!!!ホラーだよこんなの!!!!!!
頭の中が真っ白になって、どうしたらいいかわからなくて、涙がにじむ。サジタリアスやケイローンに相談したら絶対気持ち悪がられる。そう思って何もできなかった僕が悪かったのかもしれない。明らかに機嫌を損ねていたサジタリアスは、僕に向かってこう言った。
「私の足を引っ張るようなことばかりしないで」
ずきりと、心が痛む。またやっちゃった。申し訳ない気持ちがあふれて、僕は震える声でサジタリアスに謝った。
それからサジタリアスは頭を冷やしてくると言って図書館を出ていったっきり、戻ってこない。
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