tsuyukusa
淳平
tsuyukusa
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きっかけは、古い日記を見つけたことだった
前なんか向いていられなかったあの頃の
感情の掃き溜めのようになったノートを
僕は後生大事にしまいこんでいたらしい
赤面覚悟で表紙をめくれば
案の定、憤りや迷いや卑屈な言葉で始まり
その青臭さに
たまらず苦笑いしてしまう
でも、あの子に会った日のページから
それが少しずつ変わっていった
木陰を抜ける風が心地よいこと
川面に踊る光が眩しいこと
早朝の庭に青い小さな花が濡れていること
朝ごはんに味付き海苔が出ると嬉しいこと
そんなささやかな悦びを愛でるあの子を
好きになったんだと気づいた夏の日のこと
伝えなくてもいい
会いに行こう
あの鈍行に乗って
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ツユクサの花言葉は、懐かしい関係、密かな恋。
今は7月。
あの物語の前日譚にピッタリだったので、
少しくすぐったい気持ちで言葉を綴らせてもらいました。
淳ちゃんの、人の心のひだを優しくなでていく音に乗せて。
https://nana-music.com/sounds/02d8cf1f
コメント
1件
- aru-kai懐かしい作品ですね… あの時と、僕の表現のニュアンスがちょっと変わってしまったのですが、淳平さんのピアノが本当に美しくて、浸ってしまいました… お二人の世界観に、ひとときお邪魔致します😌