72-ヨミ
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72-ヨミ
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🐦「そうだ……私……、私……」
🐦引きこもっていた日々を重ねるごとに、あの大事な日のことを忘れていた。私は涙を拭い、もう一度、幽さんの目を見つめる。
すると、幽さんは、私に手を伸ばした。
⭐「周りは変えられないけど、自分のことなら変えられる。司ちゃん。勇気を出して……こっちに、一歩、踏み出して。」
🐦私は、ゆっくりと柵を乗りこえ、屋上へと戻る。そして、幽さんの手をとろうとした。しかし、その後ろの存在に、手が震え始める。
🐦「あ……あぁ……」
🐦そこには、最初に見た、大きな一つ目のカラスのような化け物が、大きな瞳でジッと、またこちらを見つめていた。
⭐「……?どうしたんだい、司ちゃん。後ろに何か……あれ、君は……またどこにいってたんだい?」
🐦そういうと、幽さんは、その化け物の足元に話しかけている。他の皆も、足元を見ているようだ。
🐦「い、一体どうなってるの……」
🐦戸惑っていると、屋上のドアが、大きな音を立てて開く。
(派手に開く音)
空中にハサミを携えた、化け物が出てきた。
(じょきじょき ハサミの音)
👻「アハハハハ!!!!追い詰めたわよぉ……!」
🐦原型は留めていないが、そのシルエットには、見覚えがあった。
🐦「真田……桃花……」
🐦私のいじめの主犯格だった。
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