ツナギ 【独白 敗北者】
BGM制作者様に感謝です!
ツナギ 【独白 敗北者】
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❶
誰が父を殺したのか。誰が未来を殺したのか。誰が正しさを殺したのか――
……答えは無い。大きな力と変化の元に僕らは悲劇的なまでに無力だった。
「ああ……父は良い人でね。何かと怠けがちな僕を上手く誘導して、正しく生きるように助けてくれたんだ……たくさんのことを知っていてね……僕は父の知識を少しづつ受け取って、立派に働く彼の真似事をするのが大好きだった。本当に、尊敬する人なんだ」
――全てが無くなった。
地獄の前に立った時、堕落はすぐそこにあったし、辛いことには耐えられなかった。
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❷
「ははは、まあ、これしか話す事がないんだ。僕の人生の輝きさ。だけどもうどうでもいい事さ。今は無い、昔の事なんだ」
だからそれから……それから僕はたくさんの過ちを犯して……
「強く正しく生きろ。それがいつか幸せへと繋がるぞ。って、教えてくれた。確かにその通りだ!」
吸って、吐いて、泥になった。
僕は泥になった
どろに……
「弱く間違って生きている僕はもう哀れな死人も同然だよ。健全な幸せじゃなくって、無痛の快楽と誓いの口付けをしたのさ」
偽りの安寧が新たに渇きを産んだ。
「一度落ちたら戻れない。……マヌケな僕のとりわけ一番悪い癖さ」
――それだけさ。
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