〈第2.5話〉白百合が赤く染まる頃に【後編①】
台本:由季 BGM:みわたか様 ハル様 SE:小森平様、効果音ラボ様、みぃ様、由季
〈第2.5話〉白百合が赤く染まる頃に【後編①】
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【CEA】〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【後編①】
それは突然だった。
聖歌隊の歌を遮るように警報音が鳴ったのは…
ティナ「!!な、なに!?」
"ご来館の皆様へ緊急のお知らせです…
館内に爆弾が仕掛けられております…慌てず落ち着いて、係員の指示に従って速やかに館内を出てください。繰り返します…館内に………"
ルチア「お嬢様、すぐにここを出ましょう…!私は他に人が残っていないか確認して参ります」
ティナ「えぇ…でも」
ルチア「貴女のお命が優先です。さぁ、早く」
ティナ「ルチアも早く来てね?」
ルチア「勿論ですわ」
ルチアの真剣な眼差しにティナは仕方なく従った。
ルチア「……………嘘がお上手なことで」
冷たく言い放つと、ルチアは手袋をつけた。
それはつまり、"調達 "の合図。
───
パニックになりながらも、人々は館内を出ていこうとする。それを見て、セオはゆるりと口角を上げた。
セオ「ほらほらー。早く逃げないと爆発するよ?」
クレア「悪い顔」
セオ「お前もな」
そして数十分後。
館内に人は居ないにも関わらず、どこからか拍手が聞こえてきた。驚くことなくその方向を見ると、上の階に女性が立っていた。
ルチア「先程のフェイク、お見事でした」
セオ「(意味深に)へぇー、よく分かったね」
クレア「……ここ最近の事件は貴女ね?」
ルチア「えぇ、主がご所望でしたので」
クレア「勝手にやってる、の間違いじゃない?」
ルチア「……は?」
クレア「身勝手な善意は身を滅ぼすわよ?」
ルチア「………貴女に何がわかるんです」
セオ「あんた、あそこの卒業生だろ?被害者とは先輩と後輩の関係で……個人的な恨みがあった。といっても逆恨みだけどね」
クレア「貴女は主人を利用したの」
ルチア「………違うっ…私は…」
セオ「残念、もう手遅れ」
その瞬間、ルチアの首元に刃物が押し付けられた。
?「人が無防備になる瞬間は、虚を突かれた時、ってね」
ルチア「!あなたたち……っ」
オリヴァー「初めまして、ルチア・ロペスさん。突然ですが、貴女には報いを受けてもらいます」
ルチア「……私は…あの方のために…尽くしてきた……だけです…!」
レイ「でも、それを貴女の主人が望んでいなかったらどうするつもりだったの?」
ルチア「…っ」
遅かれ早かれ気づくことを指摘され、ルチアは思わず息を呑んだ。
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