〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【前編②】
台本:由季 BGM:haruki様
〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【前編②】
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【CEA】〈第2.5話〉白百合の赤く染まる頃に【前編②】
時は数日前に遡る。
まだ夜が明ける前にも関わらず、4人は顔を合わせていた。
レイ「オリヴァー、話って?」
オリヴァー「集まってもらって悪いね。少し厄介なんだ」
クレア「オリヴァーが困ってるんだもの。当然よ」
セオ「師匠のためなら喜んで!!」
オリヴァー「ありがとう。では本題に入ろう。まずはこれを見てくれ」
そう一言告げると、自然と空気が引き締まる
次いで、オリヴァーは何枚かの写真をローテーブルに並べた。
クレア「………見覚えがある気がするわ」
セオ「…最近の、ですね」
オリヴァー「そう。何か気づくことはないかい?」
何気なく写真を眺める
すると、何かが足りないことに気がついた
レイ「…!…指が足りない」
オリヴァー「ご名答。ただ、事件といっても未遂だ。被害者はまだ全員生きている」
セオ「…え?……じゃあそいつの目的は指だけ…?」
オリヴァー「最初は1か月前。…2人目は2週間前、そして3人目が3日前だ。指だけで既に3本。3本"も"だ。許せないだろう?」
セオ「師匠…!なんて心の優しいお方っ!!」
レイ「でも、何のために…?」
すると、クレアが気だるげに答えた。
クレア「集めてるんじゃないの?ほんと悪趣味よね」
セオ「…お前にだけは言われたくないと思う」
興醒めというかのように、セオは呟いた
クレア「はぁ?」
セオ「まぁ、それはともかく。間隔としてはかなり不定期ですよね。単に都合が悪かったのか、わざとなのか…」
レイ「それと気になるのは、若い女性が狙われていることね。他に共通点はあるの?」
オリヴァー「あぁ。被害者は皆、"ある学院"の関係者だ。そして……近いうちに4人目の被害者が出るよ」
被害者が女性であること、身なりからそれなりの裕福な家庭で育っていることが伺える。そして、皆が皆同じ学院の卒業生であることから、レイは1つの結論に辿り着いた。
レイ「…学院?」
オリヴァー「聖ルナリア女学院だよ。年に1、2回ほどイベントを開くんだ。聖歌隊としてね」
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