♟️ あっつあつ常夏ラブ★サマー!
🍋和泉華(cvゆめぱんだ)×🧊神戸なず(cvゆずは)
♟️ あっつあつ常夏ラブ★サマー!
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〝 二人だけの思い出作ろう 〟
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「何でお前って萌乃の事好きなの?」
「はっ…?!」
吸い込めばほんのりと潮の匂いを感じられた海の風。黄色の髪を揺らし、こちらを見つめた彼女が突然。そんな事を問いかけてきたのは、夏も後半戦へと差し掛かろうとする8月中旬の事だった。
【番外編 No07 : 恋心】
丁度皆の予定の空いていた今日、ボク達は全員揃って二県程離れた海へとお忍びで訪れていた。
目的地へと着いたのはちょうどお昼時で。海の家でお昼ご飯を食べた後、自由時間にしようなんて真瑠が言い出して、そこから各々海へ入ったり貝殻を集めたり砂でお城を作ったり…と。本当に自由に過ごしていた。
しかしボクはと言えば、一人海の立ち入り禁止区域のギリギリに位置された岩場へと腰を掛け、時々足を濡らしたりしながら。とある人の連絡を待っていた。
その相手はと言えば______
彼女、『萌乃ちゃん』であった。
つい数日程前、みんなで集まる事になったから折角だし…と勇気を出して誘ってみた。正直こういうわちゃわちゃとした事、萌乃ちゃんは苦手そうだなぁ、とか。そんな事を考えてはいたものの。
意外にも彼女はこう言った。
『遅くなるけど行けるかも』
なんて。どうやら今は丁度ここの隣の県の祖母の家へと宿泊している様だ。
«かも»だとしても彼女がいるのといないのとでは大きな差がある。ボクはついテンションが上がってしまって、すぐに返事を返した。
「駅から一番近い方の岩場で待ってる。来れそうだったら是非来てね」
なんて、そんな言葉を。
それからと言うもの、ずっとここに一人でただ海を眺めている。…つまらないだろう、と思っていたものの…案外、こうして感傷に浸るのも悪くは無い。
元々、一人が好きだった。
この人に対してこれはこうすれば信頼を得られるだろう、とか、これは逆効果だろうか、とか。そんな面倒くさい事を考えずに済む。
(…でも、)
いつからか、彼女がいる時は«二人でいたい»と思う様になっていた。…やっぱり、キミという存在はボクを変えてしまうな、なんて一つ惚気けて。彼女とのトーク画面を見つめてはふ、と口角を緩めた。
「え〜w一人でスマホ見ながら笑ってるとかキツ〜www」
…暖かくなった感情が一気に冷めたのは、突然後ろから現れたこいつのせいだった。
「…華。さっきまで男遊びしてただろ。もう気は済んだのかい?」
皮肉を込めてそう言ってみれば「えぇ?人聞き悪い〜」なんて肌が栗立つ様な甘ったるい声を出しながら、彼女はこちらへ近付いてきた。
…何が違うんだか、と心の中で悪態を付きながらはぁ、とわざとらしく大きなため息を吐けば。そいつはいきなりボクの隣へと腰を掛けた。
「…は?」
何でボクの隣に?と自然と頭に浮かんで来た言葉が声に出た。それを聞いた彼女が
「たまにはいーじゃん?それとも何ぃ?私が来ちゃ行けない理由とかあんのー?」
…なんて、全てわかってるんですよ、とでも言う様な口振りでそんな事を言う。
(…はぁ、やっぱり)
コイツは苦手だ。そんな事を思いながらスマートフォンの電源を落とし、ポケットへと入れた。そうしてボクは
「…いや、最近疲れが取れなくてね。
とてもじゃないけど今は遊ぶ気分になれないんだ。」
なんて平然と嘘を言ってのける。それに対して彼女はふーん、なんて興味無さげに言った。…自分から聞いたくせに、なんて苛立ちながらも変に話し掛けたり反応していては彼女は面白がってここに居座るだろうから、何が何でも無視を貫いてやろう、なんて決めて一人無言を貫いた。
…やっぱ、あの子以外の人と二人きりはどうにも気持ちが落ち着かないな。いくら彼女達が秘密を知っていようとも、それがボクの心に安心感を与える作用なんて無くって…完全に誤算だった、と今更感じる。
…『♛ADOLESCENCE♛』の中で、もしかしたらって可能性を感じたのはアイツだけだったな、なんて何故かぼんやりと考えてはハッとしてごほんっと咳き込みを一つ。
(…やっぱ、他の人がいるのは落ち着かない。)どうでも良い事ばかり考えてしまう、なんて考えていた時の事だった。
彼女が
「なー、なず。」
「何でお前って萌乃の事好きなの?」
…なんて、聞いてきたのは。
ーーーーーー
一時は動揺してしまったが、冷静さを何とか取り戻した後に訪れたのは暫しの沈黙。
…その沈黙を、先に破り口を開いたのはボクの方だった。
「…それを知って、キミに何か得はあるのかい?ボクにはさっぱり、それを知るメリットが無いふうに思えるんだけど。」
と言ってみせれば、彼女はえー?と言葉を零して、そして。
「べーつに?メリットも何も無いけど、単に気になるだけってゆーか。」
そうやって言った彼女は笑っていた。そのまま彼女は続けた。
「…ほら、なんつーの。梨夢とか恋良も恋してる…って、感じだけど。なずのはなーんも聞かないし。どうしてかなーって。」
「…ボクの恋心を疑っているって捉えていいのかい?」
「んなわけねーじゃんwww逆に何もなしにあそこまで行動出来たら尊敬するわ」
彼女の言葉を聞いてる感じ、本当にただ興味本位…という感じがする。特に誰に言うとかでもなく、弱みを握るとかでもなく。
…まぁ、それでも。
「ボクは生憎キミの事をそこまで信頼していないし好いてもいない。
そんな人間に話す程ボクの口は軽くもないし、彼女への思いも本気って事さ。」
少しはつまんないと思われて、興味を無くしてくれるだろう…と考えて、そう返事を返す。
「…ふーん?そっか。」
実際それの通りに事が進んだのか否か。彼女はそう相槌を打つと、それ以来口を開くことは無かった。
…コイツはとことん人の心を揺さぶるのが好きらしい。彼女が黙ったのを見て、ボクも口を閉ざした。
(…それにしても、)
ボクが萌乃ちゃんを好きな理由…ね。そう言えば考えたこと無かったかもしれない、とぼんやりと思う。
…でも、言われてみれば、何でだろうな。
いつからボクは、キミと二人で居ることを願うようになったのだろう。いつからボクは…キミが、ボクの支えになって欲しいと思う様になっていたのだろう。
どうして、ボクは…。
…分かんないな。そうやって一度思考を整理しようと岩の上へと寝転がってみた。
(…そもそもボクは…«あの日»以来、人を信じられなかったはずじゃないか。
どうして、いつから…彼女に大きな信頼を抱いていたって言うのだろう。)
時期はいつなのか、どうして惹かれたのか…詳しく問われれば、正直…わからない。
惹かれた部分…と言えば。彼女の人柄…だろうか。彼女の近くにいると、何故だかボクは自分に素直になれた気がした。…今まで、一人で抱え込んで誰にも話せなかった事も、何かが崩れたみたいに話せる様になって。…それは、とてもじゃないけど人に話すには勇気のいる話。普通の人なら、あまり仲良くもない人にこんな話されたらビックリしてしまうだろうとも思う様な、そんな、おぞましい話。
…それでも彼女は。そんなボクの話を真剣に聞いてくれて、優しい言葉をくれて、ボクと一緒にいてくれて、寄り添ってくれて
それが_____どうしようも無く暖かった。
…初めてだった。不思議な感覚だった。こんなにも人から与えられた、たった一つの言葉だけで、仕草だけで。心が暖かくなるのか、と。驚いてしまう程に。
それが…彼女に惹かれた大きな理由…なんだろうが。本当に、そうなのだろうかとどうしてか慎重になってしまっている。…同性愛者とて、誰でも良い訳では無い。女性全員をそういう目で見てる訳では無い。萌乃ちゃんだからこそ、という理由はどこかにあるはずだった。
…けど。もし彼女への話しやすさや、彼女から貰った暖かさを理由とするのだとすれば、真瑠とか…それこそ、アイツにも。自分の過去を話したことがあるし、彼女と何ら変わりのない風にボクに寄り添ってくれたと思う。…でも、同じ暖かさを感じたかと言えば違う気もするし。
(何が、違うって言うんだろうな。)
考えれば考える程に、わからなくなって行ってるような…答えから遠ざかっていくような、そんな気がしていて、気が遠くなる様な感覚に浸っていた。
「…はあーあ。お前なら答えをくれる…って思ってたんだけどなー。」
…そんな時。今まで黙っていた彼女が突然口を開く。彼女は、ボクの返事も待つことなく続けた。
「…時々思うんだよな。どうして、まだ«あの人達»に執着しちゃうのか、って。…あの人達から貰った愛より、あの人達から押し付けられた理想の方が大きかったはずなのに。どうしてか。それがわかんなかった。」
頬杖を着いて、遠くをぼんやりと見つめる彼女はそんな風に言った。…何も返事出来ないでいたボクにも構わず彼女はいきなりぐーっと伸びをして。そして。
「1回肌で、心で感じた温もりとか愛情って忘れられるもんじゃねーんだよな。頭で、じゃなくて…心で感じる物っつーか。…あれは、他人から得られる物じゃなくて、あの人達からしか得られない物だと思う。…いや、実際そうじゃないとしても。私は、他の大多数の男達から受ける愛情より、あの人達から受ける愛情の方が心地いいから、あの人達を選ぶんだ…って私は無理矢理自分を納得させてた。」
「…っ、」
「…でもやっぱその理由がよくわかんないからハッキリさせたかった。けど…お前でもわかんないんなら、これに理由なんて無い…というか、いらないんだろうな。」
ふと、彼女の言葉の中には。ボクの気持ちの答えがある気がした。
___________いつかの時の言葉がフラッシュバックする。
『理由…なんて、そんな大それた物、必要ですかね。恋愛漫画とかでは理由をやけに重視してるけど…言葉に言い表せない、愛情はあると思うんです。』
『梨夢は…例え別の配信者に同じ事を言われたって、心は動かなかったし、好きにならなかったと思います。』
______真瑠さんだったから、好きになったんです。
…なんて、過去に言われた。そんな根拠の無いアイツの言葉が。…馬鹿げているのかもしれない。これじゃあ…とてもじゃないけど、皆からの理解も、愛する彼女からの理解も、得る事は出来ないのかもしれない。物事を説明する上での根拠や理由は何より重視される物だと考えてきたから。
けど…それでも…もしかしたら。
「…それで、いいのかもな。」
何事にも全て理由が明確でないと行けない、なんて決まりなんて無いんだから。そうやってボヤけば、彼女ははーなんて大きなため息をついて、そして
「ま、考えすぎだよな。私も…お前もw」
と気の抜けた様に笑った。…ほんと、コイツはどこまでもムカつく。そして、どこまでも…人の心を見抜いて、揺さぶるのが得意なようだ。
「…恋良がキミに懐いてる理由もわかるよ」
そう言ってみれば、それを聞いた彼女はいや、と呟き
「そっちの方がわかんねーよ。」
寧ろそっちの方を教えてくれよ、なんてそんな事を言ってきた。…その反応が何だか面白くなったボクは、彼女に対してこう返した。
「…頭で感じた事じゃなく、心で感じた事だから。それはボクも言葉には言い表せないさ。」
そう言葉を紡いだ時、今まで音沙汰の無かったスマートフォンが一つの音を出す。
_____それが、«彼女»の到着を報せるメッセージだと気がつくのは、数秒後の話。
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曲名 / あっつあつ常夏ラブ★サマー!
本家 / バンドリガールズバンドパーティー Pastel*Palette様
伴奏 / QuesTesT 様
サムネイルイラスト / 李里葉 様
歌 / 🍋和泉 華【CV ゆめぱんだ】
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🧊神戸 なず【CV 柚羽】
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『♛ADOLESCENCE♛』公式アカウント
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⇒(nana)
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『歌詞』
🍋この夏は私たちのもの?
それならば とことんね
ジャン(🧊はい!) ジャン(🧊はい!)
楽しもう!
🧊ギラギラお日様 手加減してね
女子たちに日焼けなど
絶(🍋はい!) 対(🍋はい!)
NGなんです!
(♟️ご遠慮くださいませ)
🍋素足に纏う砂の感触に
🧊海の匂い 冷たさにはしゃいで
🍋突き抜ける空へ(♟️DASH!)
🧊舞い上がる気持ち(♟️DASH!)
🍋肩にふれた
🧊キミの温度
♟️ハイチーズでいつかはGet you!
🍋あっつあつ 常夏 らぶ☆サマー!
学校もお仕事もオサラバ!
(🧊SUN! SUN!) 本日
(🧊SUN! SUN!) 普通の女の子に戻ります!
🧊あっつあつ 常夏 らぶ☆サマー!
照らせ 幸せのパノラマ
(🍋SUN! SUN!) 世界で
(🍋SUN! SUN!) 1つの
二人だけの思い出作ろう!
𓇼𓆉𓂃 𓈒𓏸◌𓇼𓆉𓂃 𓈒𓏸◌𓇼𓆉𓂃 𓈒𓏸◌
『タグ』
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