声劇台本「忘れようと思った」
(your name)
声劇台本「忘れようと思った」
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――いつか遠い世界でからかってやる。
その日まで、少しだけ、さよなら。
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あなたの事を、忘れると決めた。
その方が楽になれると思ったから。
あなたの色が残っている景色は、まだ色鮮やかで。
でも、いずれ色褪せて、モノクロの世界になる。
瞬きの数だけ、あなたが遠くなって。
瞬きの数だけ、視界が霞んでいく。
だから、もういっそ。
一思いに忘れてしまおうと思った。
思っていた。
あの日からずっと、そのままにしていた
あなたの残していったコート。
捨てようとして、触れた時に、気付いた。
内ポケットに、1枚の紙切れ。
わたしが好きだと伝えていたブランドと、
指輪.......薬指のサイズ。
あなたがいた頃の世界が、鮮やかな色が、
わたしの中に流れ込む。
考えるのをやめていた、わたし。
勝手に全て投げ出して、自暴自棄になっていたわたし。
でも、あなたのいないこの世界で。
わたしなりに。不器用なりに。
もう少しだけ、頑張ってみようと思った。
_____
お久しぶりです。夕月です。
お久しぶりすぎて、ほとんどの人がはじめましてかもしれません。
相も変わらず、私の台本は誰かがいなくなっちゃいますね。
90秒でストーリーを作るのは、やはり難しいです。
大切な人に想いを伝えるのはとても勇気の必要なことですが。
伝えられずに終えてしまうよりは、たとえ悲しい結末が待っていたとしても、伝える方が良いのかもしれません。
上手くいかなくても、いつか笑い話として、友人や、その本人と、笑える日がくれば、それでいいのかな、なんて私は思います。
もちろん、そんな相手はいません。
#声劇 #夕月の台本
コメント
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- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました✨