冬ノ幕一巡目 弐
まほろば食堂不知火道本店
冬ノ幕一巡目 弐
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まほろば食堂冬ノ幕一巡目
-冬来リナバ春遠カラジ-
弐
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木と木の間を縫うように歩いて行くと、ようやく目的地である「まほろば食堂不知火道本店」の姿が見えた。
噂通り、建物自体は嵐でも来れば木っ端微塵になりそうではあるが、作り直されたのであろう看板だけは立派に屋根の上に鎮座していた。
「いらっしゃいませ。中へどうぞ」
のれんの奥から、若い人間の店員が顔をだし、私にそう声をかけた。
店内に入ると、よく手入れされた畳の座敷と、西洋風な椅子と机が並んでおり、奥の台所には、もぞもぞとなにかを食べる茶色い生き物の姿が見えた。
「誰もいませんから、お好きな席にどうぞ」
私はせっかくなので、台所の近くの西洋風の椅子に座ることにした。ここなら、あの生き物がよく見えると思ったのだ。
しかし、生き物は私の気配が近づいたのに驚いて、さらに奥に逃げてしまった。食べていたのはいなり寿司のようだ。
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読み手/
茅汰
https://nana-music.com/users/6291288
柚希
https://nana-music.com/users/6233420
gezu
https://nana-music.com/users/7544218
演者/
もちがとりを
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おとわび様「古都に咲く花」をお借りしております。
素敵なBGMをありがとうございます。
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#大正孤月横丁参丁目曲ガリ角ニテ
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