【声劇台本】海の底の鴎

【音楽】みわたか様【読み手】あなた【台本】青木 街

羨ましかった。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 【台詞】 埠頭（ふとう）で鴎（かもめ）を見ていた。 まだ朝日も登らない、薄暗い時間。 仲間はいない。彼は一羽で飛んでいる。 灰色の、海と空の間を。 空虚について考えていた。 この世に空白は無い。 どこも色と物に溢れて、存在するならばきっと それは僕の体の中だ。 自分が傷つくより、誰かを傷つける方が ずっと辛い事を知った。 五月蝿（うるさ）い世の中で、静寂（せいじゃく）は僕だけ。 切り取り線の内側からずっと動けないままだ。 『だいじょうぶ。 ふれないよ、君たちには。』 空が薄い紫と水色に染まる。 鋭い陽の光は僕の心臓を一突きして 灰の海に落とした。 血を吐いて 腕を広げる波にそっと願う。 どうか、その奥深くに 僕を閉じ込めて。 殺して。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 【台本についてのお願い】 台詞のコピーと貼り付けはお控えください。 コラボの際は音源主様の方へ何かしら反応して頂けると幸いです。 こちらの台本の音源は自作のものではなく、お借りしているものなので他アプリでの使用は控えてください。 よろしくお願いします。 幸せを願っているのは 他でも無い自分だった。 誰から見たって 君も彼らと同じ 白い翼をしていたのに。 #声劇台本 #街のほんだな