【声劇台本】鞘鳴り

人「コラボ者様」+台本 ひすい

お久しぶりです！所用で滑舌練習がしたくなり、自分用に書いた和風台本です。甘噛みするように書いたので丁寧に読んでみてください。 舞台設定としては、妖刀に魅入られた人間が追っ手を殺したワンシーンでのモノローグです。 人物設定はあまり深く作り込んでいないので、老若男女もお好きにどうぞ。後悔なのかもう堕ちてしまったのか柔軟に楽しく演じてもらえれば。 --------------------- 切っ尖(きっさき)の光(こう)は我が目を刺した。 眼球(がんきゅう)の端(はし)に捉(とら)えたのは死の影か、はたまた生(せい)への執着か。 名も知らぬ男に首を狙われるのは慣れないままだ。 臆病(おくびょう)な私(わたし)とは裏腹(うらはら)に今日も刃(やいば)は命を欲する。 天井(てんじょう)揺らめく断罪(だんざい)は、確かな意思を持って心(しん)の臓(ぞう)に振り下ろされた。 脚を引いて力を流し、左手を捻(ひね)りながら打ち上げる。 わずかに聞こえた断末魔(だんまつま)、ついて鉄臭さが鼻をつく。 赤い球体(きゅうたい)がどろりと光(こう)を遮れば、やっと息がつけた。 一振(ひとふ)りすれば扇状(せんじょう)に赤が舞って地面を汚し、刀身(とうしん)は鏡面(きょうめん)のように私を写す。 嗚呼(ああ)、 写る片目は弧(こ)を描(か)いていた。 この妖刀(ようとう)に取り憑かれて幾(いく)ばくか。 握り込んだ柄(え)は熱く、掌(てのひら)を焼いて離れてはくれない。 ---------------------- お借りしたBGM「クローニク」 #一人声劇　#声劇台本　#和風台本 #klavi_Werkstatt