ここは春の国 (終盤)
谷山浩子 / 作詞:森田荘平 作曲:谷山浩子
前回からの続きです ♪ この投稿の歌はほんの少しで、 そのあと、にわとりのとさかさん🐔の 素晴らしい後奏がございます。 ぜひ、ピアノだけでもお楽しみください。 ほんとに素晴らしいです💐💐💐💐💐 画像の写真は2020年11月に行った 千葉県館山市の海です。 凪いだ海面が輝いて、とてもきれいでした。 ____________✍ (この説明文は第2話を流用しております🙇♀️ 読み飛ばしてくださって大丈夫です😊) この曲の歌詞は、谷山さんが かつてパーソナリティをされていたラジオ番組で、 リスナーのファンの方の作った詞に 曲をつけたものだそうです。 キャプション後半に小説がありますが、 これは曲のイメージから派生したもので、 この曲そのものとの関連性のない 2次的作品です😆 もし文章を読むのがお好きな方で ご興味のある方は、よろしければ お付き合いください🥰 文章読むのはあまり…という方は、 どうかご無理なさらず😊 投稿を聴いてくださっただけで 大感謝です💕 というわけで🥰 連続妄想小説『ここは 春の国』 最終話をお届けします。 第1話はこちらから↓ https://nana-music.com/sounds/05cb008d 第2話はこちらから↓ https://nana-music.com/sounds/05cb8e82 ____________✍ 連続妄想小説 『ここは 春の国』最終話 作・城村優歌 気がつくと、 私は家のすぐそばを歩いていました。 びしょぬれの上履き以外は、 家を出たままでした。 家の前にいた母が私を見つけて 慌てて駆け寄ってきます。 「ヒロコちゃん、どこに行ってたの! 心配して、あちこち探し回ったのよ! ああ、上履きがずぶ濡れじゃない、 どうしたの、何があったの!」 私は、ぼんやりと母を見ると、 「おともだちと、かくれんぼしてたの」 と小声で答え、そのまま家に入ろうとしました。 「待ちなさい!」 腕を掴んで引き留めようとする母を 力ずくで振り切ると、 私は子ども部屋に駆け込みドアを閉めました。 それでも追いかけてこようとする母を止める 父の声がドアの向こうから聞こえます。 私は窓際に座って、冷たいガラス窓に おでこをつけました。 何があったのか… あったことすら… 逢ったことすら、本当だったのか… わかりませんでした。 ただ、 もうあの男の子には逢えないのだということだけ わかっていました。 その思いは、川底の石を見るように、 ゆらぎながらも、きちんと 形を成して存在していました。 ヒロ… と、唇から少年の名前がこぼれた時、 涙より先に嗚咽が込み上げ、 声となって溢れました。 あぁーっ、あぁーっ… 私は獣のような声をあげて泣き続けました。 涙で歪んだ視界の中に、 ヒロの姿を探しました。 自分の泣き声の中に ヒロの声を探しました。 もう逢えない…… 泣いて泣いて、 やがて体の震えがおさまった頃には、 日の落ちた部屋は薄暗く、 しんと冷えていました。 カタリ、と窓の外で風が何かを鳴らします。 私はハッとして、 何を期待してか窓の外へ目を凝らしましたが、 なにも起きませんでした。 ※ それから何十年も経ちましたが、 私は地元に帰るたびに、 ひとりであの浜に立ち寄ります。 心の中にあるものは、ある… 消すのは自分… 欲しいなら作り出す… 静かで甘やかな優しい声… だったと思うその記憶ですら 薄れてしまった感覚を 自分で描き直した作りものの記憶なのか… わかりません。 わからないけれど… わからなくてもいいんです。 いつかまた逢うために… 想いだけを、ためているんです。 〈終〉 ____________✍ 長い話にお付き合いいただき、 本当にありがとうございました🙇♀️ 私は長編が常でしたので nanaで書くのは、その10分の1以外 程度の分量ですが、 携帯画面でお読みくださる方には、 多く感じ、また読みにくいかと思います。 その中でお読みくださり、 心から御礼申し上げます🙇♀️💕 この企画は、時間の見繕いがしやすい 年頭くらいしかやらないと思いますが、 読書がお好きな方は、よろしければ またお付き合いくださいませ🙇♀️💦 ほんとうに、ありがとうございました🙇♀️ 末筆ですが、素晴らしいを通り越して尊く、 筆舌に尽くしがたいほど美しく情感の豊かな ピアノの演奏のにわとりのとさかさん🐔に 厚く深く感謝を申し上げたいと思います。 ほんとうにありがとうございました 💐💐💐💐💐💐💐💐💐💐💐 #nana文芸部 #うか谷山浩子 #うか小説
