声劇台本「冬の匂い」
(Your name)
声劇台本「冬の匂い」
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――僕は少しだけ、ほんの少しだけ、幸せな気持ちになった。
_____
何気なく窓を開けると、冬の匂いがした。
もうすぐ雪でも降るのだろう。
毎年、この匂いがするたび、僕は少しだけ、寂しくなる。
元々、季節に匂いなんて無いと思ってた。
君が何度も言うもんだから、なんとなく同意しただけだった。
君は幸せな匂いだなんて言ってたけれど。
結局理解することは出来なかったよ。
君が好きだった季節。
君が好きだった匂い。
でも、君を失ったのも、この季節。
最期まで君は笑っていた。
窓から雪を眺めて、それから、僕を見つめて。
柔らかく、優しく君は笑っていた。
僕は、君のために何か出来ただろうか。
あの笑顔を向けられる資格が、あったのだろうか。
今の僕に、出来ることはなんだろう。
空は教えてくれない。
風はただ、寂しい匂いを僕に届けるだけ。
この季節、この匂いが好きになれる日は来るだろうか。
そういえば。
白く優しい雪は、少しだけ君に似ている気がするな。
……なんて、そんなことを考えてしまうあたり。
少しだけ、君に近付いている気がした。
_____
お久しぶりです。夕月です。
北海道はもう時期雪が降りそうです。
雪が積もるとバスが遅れるので
会社に行くのも一苦労です。
いっそ着かなければ
どれだけ幸せなことか。
ひとまず、生存報告でした。
それでは、またいつか。
#夕月の台本 #声劇
コメント
4件
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました✨
- はじめ=はーくまおかりしました!
- 夕月@台本の人
- 四ノ宮りゐこんにちは!いつも私の曲を使って下さって、また聴いてくださってありがとうございます😊 季節の匂い、私もいつも感じているので、共感!と思いコメントさせていただきました❄️ 素敵な作品に私の曲を選んでくださり、本当にありがとうございます! (あと、実は私も今北海道にいるんです、普通に雪降ってますし、寒いですよね🥶)