【みりん営業クエスト】この恩を力に変えて
CHiCO with HoneyWorks
【みりん営業クエスト】この恩を力に変えて
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「ありがとうねぇ、みりんちゃん!助かったわぁ!!」
「いえいえ、また困ったら声をかけてください」
梅雨の合間の晴れた一日。移動中に転んでしまったのだろうか、猪の獣人が押していた大きな手押し車が荷物を撒き散らしながら道端に横たわっていた。その重さに獣人のご婦人はほとほと困り果てていたが、それをみりんが直してやったのだ。
「ああ、これ!お礼よ。とっても美味しいからおやつに食べてね!」
包みを開くと、クリームの詰まった美味しそうなタルトが入っていた。
だいぶキリエでの生活に慣れてきたみりん。アヴァロンではこんなに住民と関わることは無かった。軍幹部であった為に地位が高く、向き合うのは軍関係者やアヴァロンの豪族、理事会員ばかり。実働があっても凶悪なモンスターの群れの駆除…やりがいはあったが、こんな心がくすぐったい事ってあったかな。ふふっと笑いながら歩き出す。
あたたかい住民たちに囲まれて生活しているうちに、みりんの中にフツフツと湧き出す気持ち。
「ここに来て、私は与えてもらってばかりだ…違う世界を見せてくれるこの街の人々に、私から何かをしたいのだが…」
しかし、何を?商売でもやっていればセールをする事ができたかも。サービス業なら、もっと内容を良くするとか…とはいえ、自分は?門の前で警備をしながら頭を悩ませる。何か、自分にしかできない恩返しを…
すると、目の前で見知った顔が地図を広げて目的地を確認している…まずい、その道は地図では分からないが、大変危険だ。…はっ!みりんの頭上に電球がピカリと光を放つ。
「その場所に行くには、1人では大変危険です。よかったら私も連れて行ってくれませんか?」
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みりんを護衛につけて、目的地へ向かってください。
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