雨は好き?嫌い?【ヤミィ】
NAZNA
雨は好き?嫌い?【ヤミィ】
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連日雨が続いた。起きても起きても空は暗い。しとしとと雨音ばかり響いていく。天候には左右されない業種だ、特に生活には変化は無いのだが…
「日が見れないって言うのも何となくねぇ…気が滅入って嫌だわ…」
「あらぁ?副猫ちゃん。いつも理論的な貴女が珍しいじゃない?」
「ふむ…ダメですか?」
気だるい声が帰ってきた。空のようなぼんやりと暗い店の雰囲気。片付けをする手を止めて、ヤミィは窓を眺めた。
今日も変わらぬ天気。雨音が心地よく耳を埋める。仕事帰りにいつもの様に寄り道しながらフラフラと歩くと、見覚えのない道へ…手入れがされていないのか、背の高い草がぼうぼうと生い茂って歩きにくい。奥まで見やっても店や建物がある様には見えない。やれやれ、変な道に出てしまった…引き返そうと振り返るヤミィは目を見開いた。
「雨は好き?嫌い?」
てるてる坊主のような様相だが、どことなく不気味な何かがふよふよと浮いて、ヤミィに問いかけた。白い顔は口しか無く、ニヤニヤと笑っている。
「何かしらぁ?魔族や精霊の類?私は炎のカミツキよ?私に話しても何も無いわ…」
しかし、それは退く気配もなく同じ質問を繰り返した。今のところ害はないが…この場といい、姿といい、下手をすると厄介な存在かもしれないし、もしくは…
ヤミィは注意深く息をついた。
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