二国の掛橋
NAZNA
二国の掛橋
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師匠から手渡された懇願書…見る度にあの日のイキガミ様を思い出しては目を背けたが…
「こんなの…メアリらしくないネ…今度は絶対…絶対笑顔にさせてみせるヨ…!!」
封筒をキュッと抱きしめ、意を決して外へと飛び出す。…なんだろうか?キリエの門の方が異様に騒がしい…子供達がはしゃぎながら走っていく。
メアリは首を傾げながらも、小走りで出張所へ向かった。メアリがドアを開き、それにニフが気付くなり恐ろしい速さで詰め寄った。
「あの、いい所に!いや、知り合いですか?メアリさんが名指しで、これは!!」
最早意味不明である。しかしすごい勢いでまくし立てられ、懇願書を抱えたまま何も出来ない。
「あの、だから!これです!!」
ニフがメアリの腕を掴んで外に連れ出し指さした先には…
「哎、哎、哎呀ーーーー!!」
キリエの軍に護られながら、色とりどりのリボンをはためかせる踊り子、ボールを操る大道芸人、楽器を打ち鳴らす音楽隊が道を練り歩く。どれも嘉嘉の大道芸の動き。道理で見覚えのある顔だ…そして大行列の奥に2体の大型のドゥンに引かせた豪華絢爛な魔獣籠。出張所の前で止まると、そのヴェールが開かれる。
「メアリ…」
驚きすぎてメアリは声も上がらない。そこには世話役の男、メアリの師匠、2人の間に鎮座する玉座にイキガミの少女が座っていたのだ。嬉しそうに笑みを浮かべている。
「ここですよ、イキガミ様。わざわざ嘉嘉まで出向いてもらったのに本当に申し訳なかったねぇ。家の可愛い弟子はこの国で根付いてるのさ」
師匠が玉座のイキガミ様に話しかけている。世話役の男が籠から降り、メアリに話しかけた。
「イキガミ様の最後の務めを護衛頂き感謝する。しかし、残念ながら務めを果たす前にテロリストにより妨害された。最早イキガミとしての時は終わってしまったが、今一度我らが柱として尽力頂いたイキガミ様の退神式を開きたい。イキガミ様はその式の花形に…メアリ、そなたをご指名だ。引き受けてくれるな?」
「あぁ、勿論ですとも…なぁ?メアリよ…お前の意思次第では、嘉嘉が総力を上げて退神式を担おうじゃあないか…」
煙管を吸いながら、眉を釣り上げ片目でメアリを見やる。車の下では門下生や兄弟子達が笑顔でメアリを見つめている。
あまりの唐突さ、高鳴る鼓動、イキガミの嬉しそうな笑顔に混乱し、懇願書を持つ手が震える。師匠は煙で輪をつくりながら笑った。
「哈哈哈!!懇願書なんて無粋なもん、作るだけ無駄になっちまったねぇ…メアリ…良かったなぁ…お客様から手を差し伸べて貰えたんだ…しっかり答えなぁ!!」
カツン!と煙管を叩いた。世話役の男は詳細の書かれた手紙を手渡し、またド派手な大行列は国へと帰っていった。
指定された日時、イキガミ様のいるあの国へ…
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退神式を彩ってください。
(尚、メンバー外とのコラボ曲を提出する事も出来る。ルールはアグルの窼と同様。コラボ曲を提出した場合、参加者は嘉嘉の関係者としてストーリーに反映される)
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