美に入り彩を穿つ
『 ー 月 兎 ノ 詩 ー 』
美に入り彩を穿つ
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先程まで若い男子、女子やら。
常連客の爺さん達やらで賑わっていた店内は、采女の一言を最後にシーーン…と静まり返ってしまう。
_______重苦しい空気が、店内に流れる。
そう、まるで爆竹の様な。
そんな一言を発した桃色髪の少女。
彼女の名を『由紀』と言う。
采女の親友に当たる人物であり、此処大坂でも有名な神社である『豐邦神社』の巫女をしている。
ふんわり優しい雰囲気を持つ見た目に反して、少しばかり乱暴な性格ではあるが、采女の良き理解者の一人だ。
そんな由紀は時々職務を投げ出しては此処、天樂に来る事はあったが…
……まさかこんな発言をするだなんて。
一体誰が想像出来ただろうか。
その沈黙を破ったのは___
『かぁーっっかっかっかっかっ!!!!』
常連客達の騒がしい笑い声だった。
客は梅に向かい『そりゃねーよ嬢ちゃん』だの『ないない』と笑いながら野次を飛ばす。
その野次の中に一つ。
『なんたって、采女ちゃんの母ちゃんはもう失踪してから9年も経ってんだべ。』
と声を上げる者もいて。
………信じてあげたい気持ちはある。
けれど、正直な感想として『信じられない』その気持ちが勝る。
何たって、常連達が言っている通り。
母は父が亡くなってから失踪して、そろそろ9年になる。
…普通に生きている、とは。
考えにくいし、…と、どうしても彼女を信じない方向に思考が向いてしまう。
采女はそんな自分に嫌気が差して表情を歪めた。
「嘘じゃない!!!!!本当!!!」
そう騒がしい野次の中大声を上げる彼女。
それでも止まぬ笑い声に、「あ"ーっもう!!」と怒った様に声を上げながら。由紀は采女の方へずかずかと向かってくる。
…え?なんでこっちに…????
采女が困惑してえ?え?と声を上げるもそんなの知らん、とでも言うように彼女が歩を止める事は無かった。
そうして、彼女は采女の目の前に来た途端に無理やり采女の手に一つの紙切れを握らせた。
その紙切れは随分と古く。黄色がかっており、所々欠けていて…。
最早…『これは紙なのか?』なんて言う疑念さえ浮かべてしまう程。
「ーーー明日の朝、待ってるから。」
そう一言だけを遺し、彼女は天樂から去っていった。…その頃には、野次も落ち着いていた。
…この紙、なんだろう。
そう、ふと彼女に手渡された紙を表面に返した。
…その内容に。
采女はその新緑の瞳を見開いて、驚愕した
その“紙切れ”の正体。
其れはーーーー…
「かぁ、ちゃん………………………………?」
実の母から采女宛に綴られた“手紙”であった。
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【キャスト】
🍵采女«cv.琉伊»
⛩️由紀«cv.ここあ»
👘掬«cv.SHiNRi»
🍡美夜«cv.李里葉»
🏹那津«cv.榴兎»
🎐梅«cv.MOCO»
ーoー ーoー ーoー ーoー ーoー
【歌詞】
🍵色鮮やか 金と紅の絵巻を紐解いて
⛩️見せてあげる いとけない瞳に 写した千の夜
🍵⛩️さぁ 美に入り彩を穿つ 君の心模様
ほら 恋に揺らめく頬の茜は 薄化粧
🎐ふわりひらり 舞い散る花
🏹誘う風に髪を
🎐🏹ほどきいざ尋常に
✨この恋の一途を 胸の痛みを 艶やかに
さぁ恋は一夜で 惑う少女を 綺麗に変えるもの
👘思いを紡げばいい
🍡言の葉にのせればいい
👘逢いたい 🍡涙が
👘🍡冷めぬ間に
✨この解く絵巻の 八千代の果ても 麗らかに
さぁ墨絵の龍の 合わせ鏡の 向こうへ翔けるほど
👘君の指が触れて彩るのは
✨愛という 時をはるか超えて続く物語
ーoー ーoー ーoー ーoー
🍵【お借りした伴奏】⛩️
https://t.co/ewls6NhNO4
🍡【御本家様】👘
https://youtu.be/96rmz41v6QE
🏹【タグ】🎐
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