背徳と悪意
君
背徳と悪意
- 139
- 10
- 2
────────────────────
死体の匂いがする、美しい掃き溜めで生まれ、
路地の隙間を走る光を浴びて、
けもだものように生きてきた。
背中に根付いた背徳に嘲笑され、
撒き散らかされた泥水を啜り、
割れた爪で憎しみと膿を掻き毟り、
しんだように生きてきた。
口の端から溢れる血の泡を拭い、
目が眩むような世界へ、
黄金と人間性の腐臭がする街へ、
幸せを奪うため、
悪意の刃を少女に突き立て。
憂いを消すために、
背徳の愚者の仮面を被る。
悪意の染みが壁を汚したとき、
惨めな誰かが生きた証明へ、
乾いた悪辣が孵化する。
蝿の行進が路地を埋め尽くす、
聖者よ這い蹲れと賛美歌を歌う。
無様で滑稽な感情を捨てよと、
涙の代わりに毒を流し乞い願う。
────────────────────
美しい世界の一面を
#旧聖随筆 #台本
コメント
2件
- 彩巴お借りしました。
- リ@コールボーイ台本お借り致しました。