(王)くしゃくしゃになった診察券を持って
簡単な想像に日々を
(王・海)使っている
(海)単調な風景にふと眠くなって
回送列車に揺られ
(海・龍)動いている
(龍)看板の照明が後ろめたくなって
目を落とした先で
(龍・鬼)笑っていた
(鬼)通りを抜けて路地裏の方で屈託もなく
(鬼・王)笑っていた
(龍)映画の上映は
(海)とうに終わっている
(鬼)叱責の記憶が
(鬼・海・龍)やけに響くから
(鬼)できれば遠くに行かないでくれ
(王)出来るなら痛くしないで
(王)構わないで
(鬼)(ないで)
(王・鬼)離れていて
(海)軋轢にきゅっと目をつむって
(王)報わないで
(龍)(ないで)
(王・龍)話をして
(王)窓越しにじっと
(王・海)目を合わせて
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