始発とカフカ
ナブナ
始発とカフカ
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始発とカフカ (−3)
(龍) 見返すには歩くしかないのに上手く足が出なくてごめんね
アベリアが咲いている 眼下の街を眺めている
窓の桟の酷く小さな羽虫を掬って押し潰した
初夏の風に靡いた、白花が今日も綺麗だった
教科書にさえ載っていない心情は
今日が愛おしいようで 誰かがつまづいたって死んだふり
僕らは はら はら はら はら 心を知って征く
今更 ただ、ただ 花を摘まんでいる
あなたは カラカラ カラカラ 遠くを歩いて征く
震えた言葉で書くまま紙が終わっていく
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