【掛け合い声劇】機械の心③
兎角ゆず
【掛け合い声劇】機械の心③
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#声劇
【配役】
●僕
○検事
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○やぁ、よく来てくれた。
●検事さん。僕を早く裁判で裁いて下さい。
○うん。それはできないよ。
●何故ですか?
○それは、君が人間じゃないからだよ。
裁判はね、人間が人間を裁く場所なんだ。
●僕は心を持ったオートマタです。
裁判をされないなんて、おかしいです。
○おかしいのはこっちもだよ。
ゾウが人を殺したからといって、裁判はしないだろう?
●私はゾウではなく、人の心を!!
○いや、君はさっき言っただろ?
オートマタ。自動自立人形だって。
●ですが、私は博士を…。
○ 板東博士。たしかに君が殺した。遺体もあった。
手形も一緒。だけどね。
●それ以外になにかあるというのですか。
○遺書があったんだ。
板東博士の。内容は省かせてもらうけど、君たちによろしくって書いてあった。
●君…たち?
○そう、そして君の名前も解った。
DRー1000君だ。君の兄弟はあと999体いる。
●博士はなぜそんなことを…。
○残り999体の人権を保証してもらうためさ。
君に殺された博士は君に裁判をさせる。ここまでが博士の企み。
●ここ…ま…で?
○機械の心に足りない物があったんだ。だから僕たちは君達を人間だと思えない。
それは、慈愛の心だ。
●慈愛ってなに?
○言っても君にはわかるまい。
憎しみだけしかないガラクタの君には…。
●僕は…人間に…な…れ…ない。
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