【和風台本】所以なき朔【一人声劇】

猫【あなたの名前】×台本【霜月】×ピアノ【四ノ宮りゐ】

斬る為の刀、書く為の筆 意味あるものは、皆意味が先に生まれてくる こんばんは、はじめまして。霜月と申します。 生きる意味について、予々考えていたことを、化け猫の台詞にしました。男女問いません＆少年声も歓迎です。 ※ 語り手の情報などは台本下 音楽：四ノ宮りゐさんの「星辿り」 冒頭の音から感じた景色を、台本の冒頭にも反映しました。星に導かれるように、音の世界に引き込まれてしまいます。 以下、台本 今宵の星は、心做しか(こころなしか)瑞々しい まるで盃(さかづき)の水面のように 打ち揺らめく様が、見えるやもしれませぬ 若様 星は何故(なにゆえ)、夜に輝くのでしょう 私はかつて人を化かし、斯様な(かような)問い遊びをしたものです 「皆の目を奪う為」 「我が足元を照らす為」と 人らは、思い思いに申しておりました しかし 頷ける(うなずける)答えには、とうとう辿り着けなかった ……私ですか？ 私は 「其処(そこ)に所以(ゆえん)などない」と、左様(さよう)に思うのです たとえば、人が息をするように それでも人は 星の光に、己の息に、訳を見出し(みいだし)たがる 私には、それが可笑しくて(おかしくて)堪らぬのです 若様 然程(さほど)に悩ましい問(とい)ならば 斯様に考えみては如何(いかが)でしょう 星の光る所以が、人の中に在る(ある)が如く(ごとく) 貴方(あなた)の生きる所以もまた、私の中に在ると 〜物語補足〜 語り手は、若殿(主人)に拾われた化け猫。かつては人の姿に化けて悪さをしていたが、怪我をしていたところを拾われ、その優しさに触れたことで改心した。本場面では、何をやっても上手くいかない主人が「私が生きている意味は何か」と夜な夜な悩んでいる姿を見て、彼なりの答を述べている。 〜雑談スペース〜 タイトルの「朔」は「ついたち」と読みます。朔(さく)は現代の新月と同義で、冒頭で猫が「星が瑞々しく見える」と言ったのは、月が居ないからです。 霜月の確認用(タイミングなどの参考にどうぞ) https://nana-music.com/sounds/046c9553/ #台詞 #声劇台本 #声劇 #セリフ #1人声劇 #一人声劇 #朗読 #和風 #和風声劇 #和風台本 #静か #所以なき朔_霜月 #四ノ宮りゐオリジナル