幻想月華正月企画サウンド②
神様ver②
幻想月華正月企画サウンド②
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#和風 #声劇 #幻想月華 #イヤホンヘッドホン推奨
正月企画サウンド2話目です!
今回は付き神達のお正月です。
まあ…いつもと変わらずバタバタしてるのでしょうけどねぇ…。
サクヤとミカゲの会話の裏で繰り広げられる姉弟の戦いにも耳をすましてみてくださいね(*´꒳`*)
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正月企画神2話目参考用台本
(ヨミ)「そういえば、ミカゲ達はお正月サクちゃん家で過ごしたんだよね?」
大量にあった餅達もあらかた食べ終わり、ゆったりとお茶を飲んでいた時、月詠がふとたずねる。
月詠が天照の仕事を手伝っていた間、彼らは咲耶姫の社で正月を過ごしたのだった。
(ミカゲ)「…………すっごく、すーっごく楽しかったぞっ!!(怒)」
きっと楽しく過ごしたのだろうなと思っていた天照と月詠は、静かな怒りを秘めたミカゲの表情に驚いて動きを止めた。
そして他の付き神達が苦い顔でサッと目をそらす。
……何をどうなったらミカゲをここまで怒らせられるのだろうか。
しかも正月から。
(天照)「ミカゲ、何があったんですか……?」
我にかえった天照が慌ててなだめようとしているのを見ながら、サクヤはハァ……と大きなため息をつく。
(サクヤ)「あー……実はのぅ……」
そして呆れながら正月の珍事の話を始めた。
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それは天照の元へ新年の挨拶に行ってきた後のこと。
サクヤはミカゲを社の奥へ連れていき、2人でごそごそと隠れて何かをし始めた。
……ので、タケミカは一人縁側で寝転んでいた。
彼女らの邪魔はしたくないし、神は性別を重要視されないとはいえサクヤとミカゲは女性だし。
それに平和な正月を過ごすのも悪くない。
そんなことを考えながらうとうととまどろんでいると、
(ヒノカグ)「タッケミカ〜! 神力(じんりき)羽根突きしようぜ!!」
そこへ無邪気な笑顔を見せながら、タケミカの姉・ヒノカグが走ってくる。
手には神様用の羽子板と羽が握られている。
神の力を具現化することができる力をもつ神力羽根突きセット(製作者:サクヤ)だ。
これを使うと各々の得意な術を使いながら羽根突きができる。
例えばタケミカならば雷を司る神なので稲妻を操る術を、ヒノカグならば炎を司る神なので火を操る術を使えるのだ。
もはやそれは羽根突きなのか危ういものがあるが、高天原において細かいことは気にしてはいけない。
だってそもそも神様たちが規格外だから。
(タケミカ)「お、今年もぼこぼこにされに来たのか姉ちゃん?w」
(ヒノカグ)「は、はぁ!? 今年は負けねえし!?」
顔を真っ赤にしながら小さな姉はゆうに自分の倍はある弟をポカポカ叩く。
この姉弟……毎年のように羽根突き勝負をしているのでこんな会話は恒例なのだ。
背が高く、武神であり身体能力も高いタケミカは羽子板の扱いも上手い。
逆に姉のヒノカグはロリ、もとい全体的にボリュームが小さいので身体的に不利だが、神力はかなり強いため術をぶっぱなしてカバーしている。
(タケミカ)「おーおーよかろうよかろう。今年こそ徹底的にぼこぼこにしてやらあ!!」
そんな会話をしながら2人は庭に降り、準備体操をし始めた。
その光景を見ているとやはり脳筋の血は同じなようで、準備体操から飛んだり跳ねたりバク転したり……いったい彼らはこれから何をしようとしているのか……。
準備が整ったらしい2人は羽子板を同時に構えた。
その瞬間空気がピリピリと張り詰める。
もう命懸けの決闘が始まるような雰囲気である。
(ヒノカグ)「……先に3点とった方が勝ち。神力は使い放題な!」
(タケミカ)「いいぜ……よーいっ……はじめぇ!!!」
脳筋姉弟の壮絶な戦いが幕を開けた。
(ヒノカグ)「おりゃ!」
(タケミカ)「せいっ!」
(ヒノカグ)「ていっ!」
(タケミカ)「うおおりゃああああ!」
タケミカの羽子板が雷を纏い、羽を加速させ、弾丸のような一撃が炸裂する。
電気を帯びた羽はヒノカグの真横にめり込み、ドゴォンッという音と共に地を揺らした。
(ヒノカグ)「あ、くそ! そこで雷かよ!?」
悔しがる姉を見下ろしながら笑い、胸をはる弟。
さすがは武神といったところか、武器(?)扱いに慣れている。
(タケミカ)「へっへーん! 姉ちゃんはあめえんだよ!! せいっ!」
……だが、姉もやられてばかりではない。
(ヒノカグ)「ふっ、もらったああああ!!」
高く飛び上がったヒノカグがおもいっきり羽子板を振り下ろす。
爆炎をまとった羽がタケミカに襲いかかる。
まさか最初から術を使ってくるとは考えもしなかったタケミカは跳ね返すのは無理と判断し、ギリギリのところで爆炎を避ける。
(タケミカ)「いきなりかよ!? くっそやられた!」
(ヒノカグ)「姉ちゃんなめんな!! それっ!」
(タケミカ)「どりゃ!」
楽しそうというか殺伐としながら2人の壮絶な羽根突きは続く。
……ところどころで爆発音はきこえるが。
(ヒノカグ)「ていやぁ!!!」
(タケミカ)「させるか!」
(二人)「おりゃおりゃおりゃおりゃあああああああ!!!」
(サクヤ)「………他人の社で何をやっておるんじゃあやつらは」
脳筋2人が庭先で熱い戦いを繰り広げているのを縁側に出てきたサクヤが呆れたように眺める。
何やら爆発音がすると思い来てみれば、雷や炎が飛び交い地面はえぐれ……相変わらず遠慮のない奴らだ、とため息をつく。
(ミカゲ)「お、おいサクヤ……やっぱり……この格好は……」
ミカゲが柱の陰に隠れてモジモジとしながら小さな声でサクヤを呼ぶ。
(サクヤ)「何を言っておる! 正月くらい着飾らなくてどうする!」
ミカゲはいつも武装や鎧ばかり身につけているので、『正月くらいは可愛らしく着飾れぃ! せっかく良いものを持っているのだから!』とサクヤが張り切って着付けたのだ。
(ミカゲ)「だ、だが! こんな可愛らしい着物……私には……」
こんな女の子っぽい花柄の着物なんて……!と顔を真っ赤に染めながらブツブツ文句を漏らす。
サクヤはそんなミカゲの腕を掴み、柱の陰から引きずり出す。
(サクヤ)「良い良い! とても似合っておるぞ。とにかくあやつらに見せて来い!」
特にタケミカの奴にな、と背中を軽く叩きタケミカの方に軽く押すとにっこりと微笑んだ。
(ミカゲ)「むー……わかったよ」
タケミカという名前が出るといっそう顔が赤くなったミカゲは、羽根突き合戦を繰り広げる2人の元へとゆっくり歩いていった。
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一方脳筋姉弟はというと。
かなり白熱した戦いは、地面を犠牲にしながらもとうとう2対2とクライマックスまできていた。
2人は肩で息をしながら互いの健闘を讃え合う。
(ヒノカグ)「はぁはぁ……お前やるな……」
(タケミカ)「姉ちゃんこそな……」
だが、勝つのは自分だ!とばかりに最後の力を振り絞り、相手をキッとにらむ。
(ヒノ・タケ)「……次で決める!!!」
ヒノカグのサーブ、最初から術を使い一撃で決めにかかるつもりのようだ。
今までよりも数倍強い炎がヒノカグの羽子板を包む。
それを見たタケミカも臨戦態勢になり、バチバチと激しい音をさせる雷を羽子板に纏わせる。
ヒノカグの攻撃を打ち返せなければタケミカの敗北が決まる。
勝負はこの1発に託された。
ヒノカグは力をこめて、おもいっきり振りかぶり爆発音と共に羽を打つ。
(ヒノカグ)「紅蓮烈火ぁぁぁ!!!」
タケミカもタイミングを合わせ炎を斬るように思いっきり羽子板を振り下ろす。
(タケミカ)「雷光一閃んん!!!」
押し負けた方に羽は飛んでいくだろう。
炎と雷が羽を中心としてぶつかり合うその瞬間、
(ミカゲ)「ふっ、二人ともー! ちょっt」
突如現れたミカゲ。
そしてその声に反応してしまい、視線を向けてしまったヒノカグ・タケミカ姉弟。
そして2人の術の行先は……
(ヒノ・タケ)「あ」
視線の先……つまりミカゲの方へ。
(ミカゲ)「へ?」
…………その日、サクヤの社の周りに住む人間や神達は新年早々凄まじい爆発音ともくもくと立ち上る煙を見て新たな年を不安に感じたのだった。
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(ミカゲ)「……で結局着物はぼろぼろになってしまって……!」
(タケミカ)「悪かった! ほんと悪かったって!」
ワナワナと怒りで震えるミカゲを必死になだめるタケミカ。
その後結局ミカゲは爆発に巻き込まれ、綺麗な着物はまるこげになってしまったのだ。
(ミカゲ)「うるっさいこのばか! ……人がせっかく……」
せっかく正月くらいは可愛いく、なんてちょっとは思ってたのに……と頬を膨らませながらそっぽを向きブツブツと小さな声で文句をもらす。
あわあわとしながらミカゲをなだめようとかする弟の姿を見て、姉はニヤリと笑いわざとらしく呟いた。
(ヒノカグ)「……お前ミカゲに見とれて制御ミスったもんなぁー?」
(ミカゲ)「えっ?////」
(タケミカ)「ちょっ、姉ちゃん!?」
ヒノカグは見逃していなかった。
弟がミカゲの可愛らしい着物姿に固まり、制御が疎かになった瞬間を。
タケミカが被せるように叫んだが、他の面子には丸聞こえだった。
今度はタケミカの顔が赤くなっていく。
何か弁解の言葉を言おうとするのを天照が慌てて遮った。
(天照)「ま、まあまあ! なにはともあれ……今年も楽しい年になりそうですね!」
天照の必死のフォローが逆に武神コンビの顔を赤くさせる。
そんな様子を見て面白そうに笑うヒノカグとヨミ。
そしてやれやれ、と少し楽しそうに微笑む天照とサクヤ。
やがて耐えきれなくなったように皆笑い始めた。
神様だって人間とそう変わらないのだ。
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