彗星鯨
嗚呼、あの夜空を泳げたらー。
夢見る鯨は今日も眠りにつくのでした。
水面に浮かぶ鯨は飛べやしない。
だから夢を求めるのです。
あの星空を泳ぐ自分の姿を...
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
僕は最低な人間です。
助けようと、心配して手を伸ばして触れれば
それは全て音を立てて崩れていきました。
声をかければその人を壊してしまいました。
ああ、なんて醜いんでしょう。
水面に映る自分の姿はまるで憎悪の塊でしかない
嗚呼、なんてあの宇宙は綺麗なんだろう。
自分はこんなにも醜く、汚れた人間だと言うのに
あの宇宙のように綺麗になれたらーー。
そして僕は宇宙の彼方へと沈んでいくのですーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
彗星鯨