🩵Angee Recital🏛

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🩵 Did you forget that Hell is forever? 🏛 ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── 第10部〖正義の天秤と7番目の天使〗 Ⅰ. 忘れたのか？『地獄は永遠』 　時計の秒針の音だけが、しんと静まり返った部屋の中で嫌にうるさく鳴り響いている。6番目の天使の回想を語り終えたサフィの像は、怪しげに目を細めてエクレシアを見た。 『幻滅したか？ 恐怖を覚えたか？ 天使の実態など、こんなものだよ』 「……魂を喰らい、同族を貶める天使、か」 　ホログラムであるはずなのに、やはり生々しい視線を受けながらも、エクレシアは思考の手を止めなかった。塗り潰されたページから、何故か読み取ることの出来た情報。その中には悍ましい天使の物語が隠されていた。 　見たところ、サフィという少年の出で立ちは聖職者では無さそうだ。服装にしても口調にしても、多く見積っても近代──2000年以降の人のように見える。この数百年、もしくは数十年の間に作られた、精巧な擬似データであると考えるのが自然だろう。となれば、目の前にいる少年は、データを作った張本人の偶像であると推測できる。 　残る問題は、昨日まで何も無かった頁に、いつどこで黒い印字がなされたのか、ただひとつに尽きる。こればかりは、現状理屈で説明することは不可能だった。 「きみは、一体何者なんだ……？」 　眉間に皺を寄せながら、エクレシアはふと尋ねてみる。すると、隣に座るニネヴェが可笑しそうに吹き出した。 「もう、エクレシアさんったら。サフィ様はAIで作られたプログラムなんですよ？ 問いかけに答えてくれるわけ……」 『知りたいか？』 「……え？」 　ニネヴェのからかうような口調に、サフィの声が覆い被さった。偶然だろうかと顔を正面に向けた瞬間、彼と目が合った。サフィは、ホロンやメギドの像とは異なり、明らかにこちら側に干渉していた。硝子玉に似た、美しくも何処か空っぽな視線が、エクレシアの姿を捉えて離さない。 『本当は、この聖典が人の目に触れる前に回収するつもりだったんだけれど、一足遅かったね。これはおれの失態だ。今、この本を手にしたおまえには、真実を知る権利がある』 　サフィは大きな口を耳の近くまで引き上げると、勢いよく腕を伸ばしエクレシアの手を掴んだ。エクレシアの記憶は、そこで照明が落ちるかの如くプツリと途切れてしまった。 ‧✧̣̥̇‧ 　次に意識が浮上した時、エクレシアは白い雲の中のような景色が続く、ふわふわと無重力な空間の中にいた。咄嗟に周囲を見渡してニネヴェの姿を探すも、彼女は何処にもいなかった。その代わり、目の前には自分と同じ実体を成したサフィが浮かんでいた。 「やはり来れたのはおまえだけのようだね。あの娘には素質がなかった」 「……これは幻覚？ 先程も問うたけれど、君は一体何者なんだ？」 　常人ならばパニックに陥っても仕方がないほど奇妙な状況下だというのに、エクレシアの興味は目の前の少年ただ一人にのみ集約していた。彼の口から答え聞くまでは、その他のことは気にも留めないのだろう。サフィは愉快そうにくすりと笑う。 「おまえは変だね。けれど、変なのは大歓迎だ」 　サフィはそう言うと、エクレシアの後方を指さした。誘われるがままに振り返ると、何も無い白い空間の中に、まるで映画のスクリーンのような真四角の映像が映し出された。映像の中には大木が生えており、その真下に二つの人影が寄り添いながら腰かけていた。両者とも、淡い空色の髪と真っ白な翼を持っており、言い伝えに聞いた天使の姿そのものだ。 　二体のうち、背が高い方の天使は、頭から羊の角のようなものが生えていた。数々の伝承と照らし合わせてみるに、7番目の天使カーリで間違いないだろう。 「もう一体は……私の知る限り、どの天使の特徴とも似つかないな。……ん？」 　カーリの隣で微笑む天使をまじまじと見つめたエクレシアは、その顔を認知した途端、勢いよく背後を振り返った。相も変わらず不気味な笑顔を張りつけたサフィの姿をじっくりと捉え、また映像に視線を戻す。そして悟った。 　映像の中の方が随分あどけなく幼く見えはするが、カーリの隣に座る天使は、サフィと全く同じ顔をしていた。 「君はもしかして……8番目の天使なんじゃないか？」 「ご名答」 　サフィの瞳がきゅっと細くなる。射抜かれるような視線に磔にされたまま、エクレシアはその場から動けなくなっていた。 「おまえはおれたちの物語を知りたいと願った。その純粋な探究心を称え、褒美をやろう」 　サフィはゆっくりとエクレシアに近づいてくる。その姿は、段々と半透明に揺らぎ、気がつけばエクレシアに溶け込むようにして消えてしまった。 『さぁ、物語の続きを始めよう』 　その声は、エクレシアの体内から聞こえてくるようだった。声を察知した途端、脳内に知らない記憶が流れ込んでくる。膨大な情報の波に意識を奪われそうになりながらも、与えられた知識を前に気圧されるものかと、エクレシアは必死で脳内に食らいつく。 　やがて、嵐のように揉まれていた頭が、不意に鮮明になる瞬間がやってきた。エクレシアの目の前には、失望と怒りとを滲ませた視線を送るカーリの姿があった。これはサフィの記憶なのだと、エクレシアは瞬時に理解する。カーリは、震える声を絞り出すようにして、ただ一言こう言った。 「忘れたのか？ あの日ぼくの手を取らなかったおまえに、天界の扉は開かれない。再びぼくの前に現れたからには、今度こそ永遠の地獄をみせてやる」 ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── ⛪️But she was right, Sera She showed us a soul can improve (でも彼女は正しいよ。魂は変われるって証明したんだ) ⛪️He saw the light, Sera Checked all the boxes that you said would Prove a person deserves a second chance Now we turn our backs, no second glance? (彼は光を見たでしょ。君の課した全てを満たしてる。二度目のチャンスがあるって明らかになったのに、どうして目を背けるの？) 🪬It's not as simple as you think Not everything is spelled in ink (アナタが思うより単純ではないのです。全てが聖典に綴られているとは限らない) 🧊It's not fair, Sera (それは公平とは言えないだろう) 🪬Careful, Charlie, keep a cool head (感情的になってはいけません。落ち着きなさい) 🧊No! Don't you care, Sera? (嫌だ！あなたは何とも思わないのか？) 🧊That just because someone is dead, it doesn't Mean they can't resolve to change their ways Turn the page, escape infernal blaze (人は死んだあとだってやり直せる。頁を捲れば地獄の業火から抜け出せる) 🪬I'm sure you wish it could be so But there's a lot that you don't know (アナタがそう願っていることは理解しています。けれどアナタには、知らないことが多すぎる) 🔔What are we even talkin' about? Some crack-whore who fucked up already? He blew his shot, like the cocks in his mouth This discussion is senseless and petty (一体何の話してるわけ？ ひび割れちゃったクズのこと？ あいつは全部台無しにしちゃったのに。くだらない話はやめなよ) 🔔⛓️‍💥There's no question to be posed He's unholy, case closed Did you forget that Hell is forever? (問題なんてない。彼は堕天、それで解決。忘れたのか？『地獄は永遠』だってこと) ⛓️‍💥A man only lives once, we'll see you in one month Gotta say, I can't wait to Come down and exterminate you (人生は一度きり、ひと月後には会おう。 おまえに光の矢を放つのが待ちきれないんだ) ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── ⛪️エクレシア cv.唄見つきの https://nana-music.com/users/1235847 🪬1番目の天使「ミカ」cv.Neumann https://nana-music.com/users/10462832 🔔6番目の天使「オリ」cv.柊木アカネ* https://nana-music.com/users/7275860 ⛓️‍💥7番目の天使「カーリ」cv.北斗七星 https://nana-music.com/users/5151832 🧊8番目の天使「サフィ」cv.オムライス https://nana-music.com/users/1618481 ─────˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙────── 前章 第9部〖罪の果実と6番目の天使〗 前節 Ⅱ. 堕ちろ！ (楽曲: 🔔⛓️‍💥Endless Embrace/MYTH＆ROID) https://nana-music.com/sounds/06d06427 次節 Ⅱ. ぼくには見せなかった笑顔 (楽曲: ⛪️🪬🔔⛓️‍💥🧊You didn't know〖2〗/Hazbin Hotel) https://nana-music.com/sounds/06d0f83d #ロマルニア帝国の聖典より #HazbinHotel #ハズビンホテル #ハズビンホテルへようこそ