長編台本「空知らぬ雨に」

作者 蓮悟/騎士,王子

※フリーBGM及びフリー画像をお借りしています。 4分半ぐらいの台本です📖 生劇用に書きましたが、nanaver.も投下してみます👀 画像コラボ可🙆🏻 コメ欄に一言もらえれば、生劇に使ってもらっても構いません🙋 アドリブ諸々可！ よしなに！ ↓スピンオフ(後で読んでね) https://nana-music.com/sounds/06b97b3b ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 騎「………」 王「アリア、何をぼんやりしている？」 騎「し、失礼致しました。」 王「珍しいな。しっかり者のお前が…最近働き過ぎではないか？」 騎「…ご心配無く。カルロ❝王子❞。」 王「…なぁ。二人の時ぐらい、昔みたいに…」 騎「巡回の時間ですので、失礼致します。」 王「あ、あぁ。」 〈間〉 騎「❝昔❞とは違うんだよ。カルロ。」 騎Ｎ「私、アリアはカルロ王子に近衛騎士としてお仕えし、10年になる。幼少より彼…王子の傍で、時に遊び相手に、時に稽古の相手にもなり…共に研鑽を積んだ。…カルロは私の主君でもあり、掛け替えの無い友人でもある。…そして。」 騎Ｎ「今も昔も、私の想い人だ。」 〈間〉 王「式は…来月か。」 王「…姫君は美しく、気立ても良い。共に歩む伴侶として、申し分の無い方だ。」 王「覚悟を、決めるべきなのだろうな。」 王Ｎ「アリアの気持ちは知っている。痛い程に…何せ自分も同じ気持ちなのだから。しかし。」 王「彼女は騎士で、私は王なのだ。」 王Ｎ「国を率いる者として。超えてはならない一線が、そこにあった。」 王「私も、一介の騎士であったならば…」 王「…とても王たる者の言葉ではないな。」(苦笑しながら) 王「許してくれ、アリア。」 〈間〉 騎「王子。」 王「おぉ。戻ったかアリア。」 騎「屋敷内に異常無く、市井の者達も普段通りでございました。」 王「ご苦労。今日はもう下がって休んで良いぞ。」 騎「…ははっ。」 王「…何だ？まだ言いたいことがあるのではないか？」(苦笑しながら) 騎「…お見通しでございましたか。」 王「何を今更。で、何がお望みだ？」 騎「今の私は名誉ある騎士。騎士道にもとる行いは出来ません。しかし、この甲冑を脱げば…」 〈間〉 騎「ただの娘です。今日限りは。」 王「ふっ。自由な騎士道もあったものだな。」 騎「…今のことは、忘れて下さい。失礼致し」(途中で切れる) 王「国事を忘れ…一人の女にうつつを抜かすなど、もはや王ではない。そう思わぬか？」 騎「…カルロ。」 王「今の私は、王の資格など無い…ただの男だ。そして。」 王「今宵は一人の男として、アリア、お前を愛する。」 騎「…今夜だけは、離さないぞ。」 王「ふっ。望むところだ。」 〈長めの間〉 王「まだ寝ているのか。」 騎「………」 王「全く。主君を誑かした上に、警備も怠けてこのザマとはな。」(苦笑しながら) 王「…愛しているよ、アリア…いや。」 王「愛していた。最愛の人。」 〈間〉 騎「…こんな顔、見られてたまるか。」 〈間〉 騎「本日もご公務お疲れ様でございます、王子。明日はいよいよ挙式…私も家臣として誇らしく…」 王「あー…それなんだがアリア。」 騎「…いかがされましたか？」 王「伝えなきゃいけないことがあるんだ…俺さ…」 騎「俺…？」 王「廃嫡※されちゃった。」※はいちゃく。相続権が無くなること。 騎「は！？」 王「つまり、次期国王では無くなったということだ。」 騎「知ってるわそれぐらい！大変なことではないか…！！」 王「あの…結婚控えてるのにお前と致しただろ？」 騎「な…！？」 王「それがどうやらバレてたらしいんだ。」 騎「おい…」 王「隣国は随分お怒りでね…父上はもっとお怒りかもしれないが。ははっ。」 騎「笑ってる場合か！外交問題だぞ！！」 王「その外交問題を引き起こしたのがお前だぞ…？」 騎「ぐっ！？」 王「ははっ。不良王子と落第騎士、仲良くやろうじゃないか？」 騎「…馬鹿。」 王「末永く、ね。責任取ってくれるよな？」 騎「…馬鹿！…それは。」 騎「女の台詞、だろうが。」 王「ははっ！」 〜Fin〜 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー