20.
私ね、本当は気づいてたよ。
あなたがあの日、何をしようとしていたか。
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🎹五十嵐 莉子 cv.ちご
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♟綾瀬 香帆 cv.くるす
https://nana-music.com/users/10270354
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🎹 ねぇ、なんでもない話をしないか
多分だけれど時間はまだあるでしょう
♟ 銀河の明滅青いライト
最終の列車ふたりぼっちだった
🎹 最後から ひとつ前の駅に行こう
きみとならどれだけかかっても
いいからさ
♟ 見えない空濁った瞳
光った星に迷った夜に
暗い世界 今は小さく見えた
🎹♟ ふたり眺める車窓夜のむこう
光の海パノラマがスライド
🎹 消さないで
♟ 消えないで
🎹♟ 「どこまでもずっと一緒だよ」
🎹♟ きみは銀河のむこう指さして
「みて、綺麗な世界だよ」と言った
♟ おかしいな
ぼくにはなんにも見えやしないんだ
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「香帆ちゃんは、知ってたんだね。」
「…そう、知ってた。」
「知ってて、ずっと黙ってたんだ。」
“なんでも願いが叶う”。莉子からしたら喉から
手が出るほど欲しい権利である。莉子が前のユ
ニットに未練があることなんて、見れば分かる。
viestの優勝品さえあれば、莉子は前のユニット
に戻ることができる。それを知ってて黙ってた
香帆に、今何を思っているのだろうか。莉子に
だけは失望されたくなかった。自分にまだ人を
信じている気持ちがあることに自嘲し、自身の
学ばなさに辟易とした。
「香帆ちゃんは、優しいねっ……」
途端、ぽろりと涙を零した莉子に香帆は目を丸く
した。優しい?香帆が?
「香帆ちゃん、きっと諦めちゃったんだよね……
叶えたいお願いがあったんでしょう…?でも、悠
ちゃんと楓ちゃんに譲って、今も一緒に戦ってく
れようとしててっ…香帆ちゃんは優しいなぁって、
思ったの。」
「…優しいわけじゃ……優しいわけじゃない。本当
に願いを横取るつもりで仲間になったし……」
「私、私はね、優しい香帆ちゃんがいなくなるの
は嫌だよ。」
「莉子……。」
「お願い香帆ちゃん、約束して。悲しいさような
らはもうしたくないから。viestが終わったらみ
んなで美味しい物でも食べに行こう?琴乃ちゃん
も一緒に!」
そんな約束、できるのだろうか。
香帆は立てられた小指を絡めることができずに
いた。
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#びえすと_nana
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