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「見るもの全てが目新しい訳じゃないわ。部屋に持ってきてくれたものもあるの。
「例えばこれとか。これは物語、よね。大丈夫、文字は読めるから。暇つぶしの為に何度も読んだわ、文章ひとつひとつをなにも見ずに言えるくらいには。」
「だって、物語なんてめったに読めなかったから……凄い、初めて見る言葉ばかりで。こんなもの現実に通用しないのに。」
「そんな訳ない、もっと真面目な……文献というやつ。教育のためだと思う、覚えなさいって言われた。昼間はずっと読んでた」
「そりゃあ嫌になるけど、それしかする事がなかったんだもん」
「今読んでるこれは……悪くない。書かれていない内容のことまであれこれ気になって、集中出来そうにないけれど。……何その反応。ニヤニヤしないで、気持ち悪いなあ……」
「続き……そうね、私は続きが読みたい」
「あるのなら早く持ってきて。読み切るまでは眠れなさそうだから。それと貴方にも読んで欲しい。きっと気にいるだろうから」
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