〈第5話〉ゴシップは程々に【前編①】
台本:由季 BGM:『雨の路地裏』shimtone様 SE:効果音ラボ様 イラスト:MΔWΔTΔ様
〈第5話〉ゴシップは程々に【前編①】
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【Normal】〈第5話〉ゴシップは程々に【前編①】
日が高く昇る頃。
シャルロット率いる、探偵事務所のメンバーは、街中を歩いていた。
莉乃「りつー!来て来て!」
きょろきょろと店を眺めていた莉乃。
やがて、気になるものを見つけたのか、店に向かって駆け出していく
律「あ、待ってよ莉乃」
律は莉乃の後を追った
シャルロット「アレンったら優しいのね?荷物を持ってあげるなんて」
双子を眩しそうに見送ったシャルロットは、アレンを見上げる
アレン「…お前が言わなきゃこんなことになってねぇんだけどな?」
シャルロット「だって、無理はさせられないでしょう?」
悪戯げに微笑むシャルロットにアレンは苦々しく呟く
アレン「…買いすぎなんだよ」
シャルロット「そういえば、さっきは何を買ったの?」
シャルロットはアレンの手元を覗き込むと、アレンは小さな紙袋を背に隠す
アレン「………別になんでもいいだろ?」
シャルロット「何でもいいなら見せてくれてもいいじゃない」
年相応に頬を膨らませるシャルロット
アレン「大したものじゃないから」
シャルロット「当ててあげましょうか」
自信ありげにシャルロットは言うが、その背後にある人物が近づいてくることに気づくアレン
アレン「(小声で)………げっ」
シャルロット「(考えながら)…アレンが買ったのは、」
?「ボクが書いた週刊誌だろう?」
シャルロット「!」
アレンはため息をつき、片手で顔を覆う
────
?「やぁ、奇遇だね。シャルにアレン。」
声をかけた人物はアリスティアだった
フォーマルなスーツに身を包み、いつも下ろしている長い髪は緩く纏められていた。それに加え、黒い鞄を肩にかけていることから、仕事中だと窺える
シャルロット「アリスティア!…いつからそこに?」
アリスティア「ん?たまたま通りかかっただけだよ」
アレン「…何で分かるんだよ」
アリスティア「"これ"さ」
次いで、アリスティアは歩を進め、アレンが後ろ手に隠し持った紙袋をひょいと取り上げる
シャルロット「…あら?いつもと違うわね」
アリスティア「そう。期間限定で、ティーフレーバーを選べるんだよ。その雑誌の特典でね。」
シャルロット「メーカーを変えるなんてめったにしないのに、おかしいと思った。」
アレン「…飽きてたのは事実だろ」
苦し紛れにアレンはシャルロットに言い訳をした
シャルロット「それはアリスティアでしょう?」
ね?とシャルロットはアリスティアに同意を求める
アリスティア「否定はしない。でもまぁ、アレンが選んだフレーバーなら安心だね」
アレン「…砂糖で味なんて分かる訳ねぇのに、よく言うよ」
アリスティア「アレン!君と言うやつは、全く分かってない。ボクが糖分を欲するのは、」
アリスティアの言葉を遮り、アレンは言葉の続きを当然のように言い放つ
アレン「(被せるように)頭の回転のためだろ」
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絵師
MΔWΔTΔ様
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