もう一人じゃないと君はそう言い また笑う
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「ちょっと待って」
引き止められた手は、風鈴が少し重心を前へと傾けた程度では離れなかった。疎雪は言葉を一つずつ探して掬うように連ねていった。
「私、すごく後悔したの。ふたりのこと大事に思ってたはずなのに、勝手に突き放して勝手に幸せになっておいてほしいだなんて、大事にしてないのと同じだって。私は、もう後悔したくない。私の大切なものはすぐ近くで大事にしたい。私が今までそばにいれなかった分、嬉しいことも悲しいことも知りたいの。だから、もし辛いことがあるのなら話してほしい。私のわがままかもしれないけど、風茜と風鈴、ふたりのことをちゃんと知りたいから」
言葉が一つずつ紡がれる度に、迷子になった風鈴の心が、出口の光にだんだんと近づいていく気がした。
「わ、私…」
恐る恐る口を開いて話し始めると、絡まった糸がほどけていくように、喉の奥に詰まらせていた言葉が次々と出てきた。私のこと、お姉ちゃんのこと、悲しかったこと、不安だったこと……話していくうちに、風鈴の中で現実を受け止めるのを嫌がって泣いていた心も、少しずつ泣き止んでいった気がした。
話す途中、両手で抱えきれないほどのごめんなさいを言った気がする。でもその度に、大丈夫、と疎雪は言ってくれた。疎雪の大丈夫が、どうしようと泣いていた風鈴の答えになった。
どうしなくてもいい。私は私のままで大丈夫。
今まで縋っていたひとりぼっちを今、手放した。
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lyrics
❄️遠く遠くどこまでも遠く
君と二人 手を取って永遠に
どこまでだって行けるはず
🌻もう一人じゃないと君はそう言い
また笑う
🌻守るべき大事なものが今あって
だけど成すすべもなく立ち尽くす時は
❄️可能性を失って暗闇が君を覆い隠し
絶望に飲みこまれそうな時は
❄️🌻私が君を照らす明りになるから
例えこの世界の王にだって消せはしない
so, everything that makes me whole
今君に捧げよう
I'm Yours
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Cast
❄️疏雪 -Soyuki- cv.碧海
🌻風鈴 -Furi- cv.ハナムラ
Instrument
→ https://youtu.be/tDj165mN4s0?si=1yvuwBq0D_c9Bcq3
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