【 声劇 】井の中の淡水魚

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——それはまるで、光の花のようで。 ▷ この台本での漢字の読み。ご参考までに。 　 「真底(ｼﾝｿｺ)」「揺蕩(ﾀﾕﾀ)い」 　 「水面(ﾐﾅﾓ)」「紺藍(ｺﾝｱｲ)」 ─────────────────────── だれが私をすくってくれるのだろう。 真底から、呆けた視界をそのままに 揺蕩いながら水面を見上げていた。 ずっと、私の世界は広いと思っていたの。 ただ流れに身を任せて、ゆらり、ゆらりと 潜行する日々に疑問なんて抱かなかった。 それでいいと思っていた……というより それ以外を知らなかった。 けれどあの日、たった一度だけ見えた景色が ほんの一瞬の息苦しさと引き換えに得た 外の世界の色が、私の心を掴んで離さない。 水面を挟まない 空 を、初めて見た。 限りなく続く紺藍に吸い込まれそうだと 思った瞬間、大きな音と共に光が弾けて もっと、 もっと、 ずっと、みていたいと思った。 ……なのに 気付けば私は、 またここで水面を見上げている ──ああだれか、どうかもう一度、 ここから私を、すくってください。 ─────────────────────── 《 お借りした音源 》 BGM : DOVA-SYNDROMEより 　　　 『 Blue Water 』 MATSU 様 #ﾄﾒﾘ台本 #台本 #声劇 #声劇台本 #一人声劇 #朗読