〈第3話〉愛と狂気は紙一重【中編②】
台本:由季 BGM:『BGM171224 ピアノ/ダーク/退廃的/きれい』HomeMadeGarbage SoundTracks様
〈第3話〉愛と狂気は紙一重【中編②】
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【CEA】〈第3話〉愛と狂気は紙一重【中編②】
クレア「…………オリヴァー?」
ポタポタと赤い雫が絨毯を汚す
そう──ナイフはクレアの手にかかることなく、オリヴァーの手の中に
レイ「………うそっ」
レイは呆然と立ち尽くす
セオ「師匠!今すぐ手当てを…!」
セオは救急箱を取りに忙しなく部屋を駆けた
ティナ「………お兄様」
オリヴァー「勘違いしないでくれ。君のためにクレアを庇ったんじゃない。…それと、残念だったね。君が好きだって言うクレアの手は、もう既に俺のものらしいから。君にはあげられない。」
クレア「……!」
ティナ「そんなっ」
オリヴァー「もう一度聞く。どこで、誰から我々のことを知った?」
ティナ「………クレア様を見守っていたからですわ」
ーーー
オリヴァー「…君にも分かるように教えてあげよう」
セオが戻ってくる
セオ「師匠!今手当てしますね」
オリヴァー「ありがとう、セオ」
レイ「……痛くない?」
心配そうなレイの手にオリヴァーも自身の手を重ねた。
オリヴァー「大丈夫だよ、レイ。」
クレア「………オリヴァー、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、」
オリヴァー「クレア、俺のためでもあるんだよ。だから、気にしなくていい。」
クレア「………でも、」
怪我をしていない方の手でクレアの頭を撫で、オリヴァーは首を横に振る
クレア「…………」
オリヴァー「君は…俺たちが何をしていると思う?」
ティナ「………え?……悪いこと」
オリヴァー「そもそも悪の定義とは何だろうね。」
ティナ「…それは」
オリヴァー「言えないだろうね。君はお嬢様学校という箱庭で育てられてきた。そんな君に、我々の行いをたったひとことで片付けられるなんて………」
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