さようなら、木
伊藤サチコ
さようなら、木
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随分昔に見た家の窓から見えた
あの痩せ細った木は今はもうここにはなし
僕の腕くらいの細く弱い木だから
紙とか家とかに生まれ変われないのさ
どこへ行ったか ああ
僕が小さい頃とかそいつに登ったり
してた気がする多分 よく折れなかったもんだ
切られたそいつはどこにいる
川に流れ水となって消えたか
それとも火となり風に吹かれたか
想像はつかないけれどきっと
紙とか家とかになりたかったろうな
コメント
2件
- ひつまぶ氏
- まんぼうサチコ投下!!!