74-セリ
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74-セリ
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🐦場所は変わり、図書室。私達は、像を設置しに来ていた。
🌹「これが言ってた……鶴と亀が滑ってる像と、鳥かごがある場所ねぇ。」
💍「そう!多分だけど、最初の校内放送で流れた、『かごめかごめ』が関係していると思うんだよね。」
⭐「確か、歌詞はこうだったね。『かごめかごめ、籠の中の鳥は、いついつ出やる。夜明けの晩に、鶴と亀が滑った。後ろの正面だぁれ?』」
🍃「諸説はありますが……意味があるみたいですよね。けど、この像の共通点が、全くわからない……」
🐦天使ちゃんが、袋から出した像を見つめる。
🐦「私……、わかります」
⭐「え?」
🐦きっと、蛇、岩、桃の像は、私をいじめていた人達の、名前の中にあるものを模して作られている。
『籠の中の鳥』は、きっと私。良い記憶を封印して、悪い記憶に、囚われていた。
🐦それを……皆さんが、幽さんが解放してくれた。
私は、幽さんの瞳をじっとみつめる。なんだか、気恥ずかしくなって、直ぐに目をそらせてしまった。
蛇石知恵と岩井加奈子は、完全に見た目からだけど……籠の後ろは確定してる。『後ろの正面、だぁれ?』は、きっといじめを計画した、真犯人の桃花のことだ。
私は、三つの像を抱えた。左に蛇の像、右に岩の像、そして……真ん中に、桃の像を嵌め込んだ。
嵌め終わると、大きく学校全体が揺れ始め、石の円柱が下へ吸い込まれていったと思うと、洞窟内で見た水色の花と、祠が出現した。
そして、上から、何かの光が落ちてくることに気がつく。それは、私の手のひらに収まると、その全容を見せた。
🐦「これは……石……?」
🐦それは、鳥の絵が掘られた、手のひらサイズの石だった。何故だか、惹かれるような気がする。
⭐「……なんだかそれ、大事なものみたいだね。司ちゃん。大切にしておいた方が良いかも」
🐦「……はい。」
🐦私は、強くその石を握りしめた。
すると、青白く石が光始める。それに共鳴するかのように、祠も光始めた。
🐦「きゃっ!何……!?」
💍「……もしかしたら、その石を、祠の前に持っていくのかも……!ジャージちゃん、試してみて!」
🐦「わ、わかりました……」
🐦私は、ゆっくりと、祠へと近づく。すると、隣で浮いていた、幽さんが、声をかけてくれる。
⭐「大丈夫かい?司ちゃん。」
🐦「はい。……私は、生きて帰って、家族に会わなければいけませんから。」
🐦もう、迷いはない。私は、目の前のことに夢中で、後ろで嘆くように呟いた、遥さんの言葉に気がつかなかった。
🌕「家族に会うために生きる……ねぇ。」
🐦私は、石を目の前に掲げた。すると、光は大きくなり始め、私達を包み込んだ。そして、私達は、学校から姿を消していた
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