【特別SS】無限大の未来へ
はぴらび!
【特別SS】無限大の未来へ
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【特別SS】🍜花丸 鈴々
特別SSではアイドルたちの
いつもと少し違う一面をお届けします♪
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鈴々の持つ最も古い記憶は3歳くらいの頃。
お店でくるくると働く両親の姿だ。
「日替わり花丸定食お待ち!」
「おぉ、今日も美味しそうだ。力(りき)さんの料理を食べないと仕事のやる気が出ないよ!」
「うふふ、いつもご贔屓にして頂いてありがとうこざいます。お茶もどうぞ」
「おお、香(かおる)さんありがとなぁ」
お客さんたちの言葉に父親の力也(りきや)と母親の香が嬉しそうに笑顔を浮かべる。
と、そこに店の扉が開く音がする。すかさず力也が威勢よく声を出した。
「らっしゃいっせー!」
「いらっしゃいませ~」
🍜「らっちゃいあせー!」
鈴々も両親の真似をしてみせると、店内のお客さんたちがどっと笑い声をあげる。
「鈴々ちゃん、挨拶が様になってるねぇ」
「将来が楽しみだ!力さんも鈴々ちゃんがいれば店の跡継ぎは安心だねぇ」
店に入ってきたのは商店街の老舗和菓子店小倉庵の主人である小倉庵陸だった。隣には妻である美空の姿が、そして腕の中にはまだ着物を着ていた頃の小さな真琳が抱っこされている。
「おや、陸さんじゃないか。こんな時間に来てくれるなんて珍しい」
「今日は定休日だからね。たまには家族で外食でもしようかと思って来たんだ」
「おや、そりゃ嬉しいな。和食派の陸さんが中華派になってくれるように腕をふるわなきゃならないなぁ」
そんな冗談を言い合っている父親たちの所に鈴々は駆け寄ると、真琳に向かってぴょんぴょん飛び跳ねながら遊びに誘う。
🍜「まりん!ごはんできるまで、りりとおりょうりごっこちよ!」
🔮「おりょりごっこ?」
その言葉に香が説明を付け加える。
「この前鈴々にねだられて、おもちゃの料理セットを買ってあげたの。きっとそれで真琳ちゃんと遊びたいのよ」
それを聞いたお客さんのうちの1人がまた力也を冷やかすように口を開いた。
「おもちゃまで料理の道具とはね!本当に鈴々ちゃんは将来料理人になるかもなぁ」
「ははは、料理が好きになってくれるのは親としては本当に嬉しいですね。けど、その他にも色々好きなものをたくさん見付けて、自分の世界を広げてくれたら嬉しいなぁ……まぁこれは親のわがままってやつなのかもしれませんが」
幼い鈴々はそんな父親の言葉の意味はもちろん理解出来ず首を傾げたのだが……。
🍜「んぁ?」
そこで鈴々は目を覚ました。
ぼーっとした頭で辺りを見回すと、そこは学園の調理室だった。確か今日は転校生たちの歓迎会をする予定で、朝からこの部屋で準備をしていたのだった。それで確か──そう、お腹がすいたので余った食材でつくったサンドイッチをお腹食べて……気持ちよくなって寝てしまったようだ。
🍜「懐かしい夢だったっすねぇ……でも確かにパパの言う通りだったっす!」
商店街でのステージ、テレビのお仕事、皆で乗り越えたサマーフェス、突然の転校生、そしてこれから目指すプリズムフェス……この学校に入ってから初めてのことばかり。それだけでなく、その中で鈴々の料理の力が食レポやファンへのプレゼント作りといった今までやったことがない方向で発揮されることもあった。
🍜「これがパパの言ってた『世界が広がる』って事なんすね!……って、そんなのんびりしてる場合じゃなかったっす~!」
時計を見て予定の時間が迫っていることに気付いた鈴々は慌てて料理をまとめると、調理室を飛び出した。
そして、まるでまだ見ぬ世界に駆け出すように軽やかな足取りで走りだしたのだった。
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鈴々ちゃんの今までの活躍は…
⬇このプレイリストでイッキ読み!⬇
https://nana-music.com/playlists/3848381
❁特別 SS一覧❁︎
https://nana-music.com/playlists/3881929
❁素敵な伴奏ありがとうございます❁︎
スヤ様
https://nana-music.com/sounds/05617111
❁tag❁︎
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