僕が構想している百合モノの攻めのバックボーン説明①(本人が喋っている風)
ひびきまん
僕が構想している百合モノの攻めのバックボーン説明①(本人が喋っている風)
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続き書くかもです。
これまでの人生、全部なかったことにしたかったの。生きているだけで辛かったもの。お父様とお母様の良いように使われるだけの、まるで愛想振りまくお人形みたい。私は出来損ないだから、教わったことを必死に真似ることで精一杯だから、せめて、口答えせず素直でないといけなかったの。
心のどこかで気に入らなくたって、私のことを才能がないとか陰口言ってたって、私は永井家の娘だから、名俳優の娘として生きる人生だから、どんな人にも「良い子」を演じないと、そうじゃないと居場所がなくなっちゃうから。
でも、それがダメだったの。私が15歳の時に出演した舞台で知り合った、主人公役のあの男。
「なぁ薫ちゃん、辛いんだろ?親やその周りの連中の顔色伺って、愛想振り撒いてんだろ?わかるよ、どいつもこいつも、しょうもない自分押し隠して、演者気取りなのさ、はは、これじゃ演者どころかペテンだ。なぁ薫ちゃん、君のこと、もっと俺に曝け出してくれよ」
トイレに私を呼び出したあいつは、そう言って私に恥部を露出して迫ってきた。すんでのところで、清掃員のおばさんが助けを呼んでくれてなんとか助かったけど、助けがこなかったらどうなってたんだろう。
でも、それでも、私は惨めで悔しかった。あいつの私に迫るための出まかせの言葉、それが自分の苦悩そのもので、それを一切合切見透かされたように思えて、自分の底の浅さを見破られたみたいで、吐きそうだった。
その1です。
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