嘘
()様
嘘
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ひとつ、嘘を吐いた。
誰も気付かない、小さな嘘だ。
ふたつ、嘘を吐いた。
何人かには、バレてしまった。
みっつ、嘘を吐いた。
ヒソヒソと話す声が聞こえた。
よっつ、嘘を吐いた。
周りの人に、避けられるようになった。
いつつ、嘘を吐いた。
みんな皆、居なくなった。
むっつ、ななつ、やっつ
沢山沢山嘘を吐いた。
嘘を嘘で塗り固めることしか、出来なくなった。
もう何度目か分からない嘘を吐いた時、
確かに、はっきりと、何かが切れる音を聞いた。
あの人の失望の音だった。
嘘に嘘を重ね、やがて、自分が何者か分からなくなった。
周りには、誰もいない。
自分と、それ以外とで、確かな壁と、深い溝が出来ていた。
もう、手遅れだった。
弁明はできない。信頼なんてモノもない。
そして僕(私)は、嘘を吐いた。
睡魔です。
今回は朗読台本です。
淡々としていながらも少しの恐怖を与える…そんな文章を目指しました。一人称変更可です。
嘘を吐きすぎると、後戻り出来なくなりますよ…。
コラボ頂く際は台本とBGMとして使用させて頂いた素敵なサウンドに拍手頂ければ幸いです^^
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