回生
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回生
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燃えるような夕日を受けて、5つの影が彼らの背丈よりも長く伸びる。もうすぐ夜の帳が降りるというのに、彼らが一緒にいる時間はそんな終わりが来ることを感じさせないようだった。
『はぁ……帰るの嫌だな』
『でもまあ、ここにいてもどうしようもないよ』
ため息混じりに誰かが呟く。同じくため息と沈黙が同意して、また会えるというのにどうにも帰路につけない。何かあると思っていたのに、気づけば何もなくなってしまった退屈な街の彼らの思い出の場所は、ただじっとそんな5人の前に在る。
『ここ、どうなっちゃうんだろうな』
『その話、やめよう』
『……帰ろうか』
長い坂道を下って、彼らはゆっくりそこから遠ざかっていく。ただ一人、彼だけは一度振り返って口を開いた。
『―――』
#太陽の船
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